日本シリーズ、ソフトバンク×阪神の明暗を分けたのは「打線のタイプ」の違い

AOLニュース編集部 捜査二課



10月29日にヤフードームで行われたソフトバンク×阪神の日本シリーズ第4戦、1回裏のマウンドに登ったのは、阪神先発の岩田。最初に迎えたのは、シーズンそのままの好調ぶりで活躍する柳田悠岐(26)。柳田は岩田の甘く入った球をはじき返すと、いきなりの二塁打を放った。その後、2番・明石の送りバントで岩田が痛恨の野選、その後、ピンチを拡大すると、初回から2点を失うという立ち上がりとなってしまった。

実は初回からの好 機を生み出した柳田は、前日に行われた第3戦においても、初回に阪神先発の藤浪から右中間への二塁打を放ち、その後の明石が犠打に成功、後続が期待に応えることで、貴重な先制点へと繋いでいる。つまりは、まるでデジャブを見るかのように、二夜連続で、同じような展開となったのである。岩田も藤浪も、先頭の柳田に痛打された後は、切れ目のないソフトバンク打線に苦しい投球を余儀なくされ、初回から自分のペースを崩された形となってしまった。

実はこうした現象が起きる背景には、両軍打線における打線の違いが大きいことが挙げられる。というのも、シーズン成績を見ればわかるように、ソフトバンクは打率3割前後で、10本台の本塁打の選手が、ある程度平 均化して並ぶのに対し、阪神打線は出塁率の鳥谷、打点のゴメス、打率のマートンという具合に、タイプの違う選手によって打線が組まれているのである。
このことは、前者が「どこから始まっても機能する」という柔軟対応型の打線で、後者が「個々の特性を軸に機能する」という役割分担型の打線であることを意味しており、それが機能しているソフトバンク打線が、結果として得点に成功していると考えられるのだ。 それに対し、阪神の場合は、それが「役割分担」であるという性質上、個々がその役割を果たせなければ、「打線」が「線」として繋がりにくいという側面を持っている。

事実、日本シリーズに入ってからも、4試合目が始まった時点で、クリーンナップで ある鳥谷・ゴメス・マートンこそ安定した数字を残しているものの、1番・西岡が1割台、6番・福留も同じく1割台と、与えられたその役割を、必ずしも果たせていないという状況が浮かび上がってくるのだ。無論、ソフトバンク側も全員が全員好調であるとは言い難く、好調は上位打線に限定されており、主砲・李大浩に続く、5番・松田、6番・中村、7番・吉村の調子はいまひとつであることも事実だが、前述のように、その打線が持つ性質上、こうしたウイークポイントが軽減されていると見るべきであろう。

野球の世界においては、しばしば「打線は水物」という言葉が用いられるが、ソフトバンクの打線は、そうした「水物」という要素を極力抑えた形で組まれていると言える。これからの戦いにおいて、阪神が巻き返しを図るには、本来の役割を個々が全うできるように調整を試みるか、ソフトバンク打線のごとく、短期決戦特有のイレギュラーな試合展開に対応できる柔軟性を持つことが、ひとつの鍵と言えそうだ。

文・吉竹明信
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