ミス成蹊ファイナリスト・岡田彩花クン「黒髪メガネは世界から自分を守るフィルター」

霜田明寛



疲れました。 この場に
疲れました。 アナタの言葉に
疲れました。 嘘つくのに もう無理矢理笑いたくないんだよ (阿部真央『モットー。』)

当時21歳の阿部真央の発表したこの曲のPVは、馬のマスクを被った無表情の報道陣にマイクをつきつけられた彼女が、それをふりほどいて走りだすところで始まる。



この世の中は、優しい人の方が心を病むようにできている。
繊細な人のほうが、心ない言葉をかけられた時に敏感に察知し、相手の負を自分の中に背負い込んでしまう。欝になったり、ちょっと心を病んだりするくらいの方が、マトモな人間であることの証拠のような世の中なのかもしれない。

原因が精神的なものとは限らないが、ミスキャンパスコンテストのファイナリストになってからの4ヶ月間で、2回も盲腸になって入院したコがいる、と聞いて気になっていた。そ、そんなコなら、僕のような童貞こじらせ病みライターでも、美女友だちになってくれるのではっ......!?

ミス成蹊コンテスト2014にファイナリストとして出場中の岡田彩花ちゃん(21歳・3年生)。彼女は大学では、軽音楽部に所属し、バンドのボーカルを務める。「暗い内容もワーって歌う阿部真央の曲が好き」で、ライブでもよく歌うのだという。もちろん、この『モットー。』も。

ということで、曲にからめてひとつ質問。7月からミスキャンパスとしての活動を初めて4ヶ月。ミスキャンって、かわいいって言葉を無数に浴びて、無理矢理笑わなきゃいけない部分はあると思うんだけど、疲れない?

「言いづらいですけど、そういう部分はありますね(笑)。『美人だね』って言われて、『そんなことないよ』って言うと怒られるんです。だから、疲れるとメガネをかけますね」
な、なんという生きにくい世の中......!どうせ、「そうだよ美人だよ」って言っても反発するくせにっ......!
そういえば、あるメガネがトレードマークの人気女性歌手は、メガネを取るとあまりに美人すぎて、多くの人の共感を得られなくなるため、あえてつけているらしい、という話を思い出した。
岡田さんは、高校時代はずっとメガネをかけていて、さらに黒髪だったというという。
「メガネをかけると、自分も、フィルター1枚通して、世界を見られるから大丈夫かなって」
メガネは外界から自分を守るためのバリア、といったような言い方をした。彼女は、大学生になって音楽を始め、2年生でメガネをとって、髪の毛を染め、3年生で初めてヘアモデルに挑戦、そしてそのセットされた髪でキャンパスを歩いていた時に声をかけられ、ミス成蹊コンテストに出場することになる。ツイッターで高校時代の写真を自らアップしていたが、ありていの言葉を使えば、一気に垢抜けた印象だ。
大学に入学したまさに19歳の頃、阿部真央のこの曲に出会って、衝撃を受けたのだという。



失うものなんて未だ何ひとつ無いのに
守りに入り始めてる僕を 壊して
(阿部真央『19歳の唄』)

その頃から、徐々に岡田さんの挑戦は始まっていく。それにしても、メガネで黒髪で、しかも「過度な期待をされるのが怖い」とサラッと言った岡田さんが、ミスキャンパスコンテストに出るというのは、相当な"僕の壊し方"だ。実際に体も壊してるし。いや、ここは笑いにするところではなかった......!
ともかく、ミス成蹊コンテスト本番は11月16日の日曜日。岡田さんがグランプリになって、マイクをつきつけられても、無理矢理じゃなくて笑える日が来ますよう。



取材の冒頭、僕が「じゃあ今日は『バイトは何ですか、恋人はいますか』って、阿部真央みたいに聞いていきますね」と言うと彼女は顔をくしゃくしゃにして笑っていた。
でも、きっと一度自分を壊した人が、自分の意思で立ったステージの上で見せる笑顔はもっともっと美しいはずだ。

文・写真 霜田明寛
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