ミス東洋英和からCAに..."完璧な肩書き"の中にあるもの【下田ありさクン】

霜田明寛

在学中にミス東洋英和女学院大学グランプリに輝き、この春から航空会社に勤務しCA(キャビンアテンダント)に......。完璧な"肩書き"である。
だが彼女はこの肩書きを書かれることを恐れていた。
「ミスコン出場したCAってすごくイヤな感じじゃないですか?」


下田ありさ(23)。166cmの長身美女で、心を捉えられそうな大きな目。容姿も完璧である。

しかし、彼女のこれまでを聞いていると、ひとつだけ気になることがあった。ミスキャンパスコンテストに出場したのが4年生のときなのである。
普通のミスキャンたちは、1~3年生のあいだに出場し、ミスキャンになったことを"武器"にして、アナウンサー試験やらCA試験やら、倍率の高い戦いを勝ち抜いていく、というのが王道パターンである。


もう就職活動も終え、CAになれることも決まった後に、なぜわざわざミスコンに出たのだろうか。
「やっぱり、強くなりたかったんです。肩書きとか学歴って嫌いだったんですけど、就職活動を通じて、そりゃあ相手も、人の内面なんてそんな簡単にわかるもんじゃないよな、って感じて。だったら、学歴だったり、ミスキャンだったりとか、わかりやすいものがあったほうがいいんじゃないかと思ったんです」

多く女子大生は女子アナになることをゴールにし、そのためにミスキャンという肩書を得るための戦いに出る。だが、下田さんはCAになったあとにその戦いに参加した。
その大きな目は、普通の女子大生よりも、もっともっと先を見ている気がした。「強くなりたい」の、「強く」は、"女子大生として"ではなく"人として"に聞こえた。


もちろん、肩書きという、自分以外の名前を背負うということは、他の何かに左右されてしまうということでもある。

彼女がミスになった後、"ミス東洋英和"の名前は、違う形で世間に届くことになる。日本テレビのアナウンサーとして内定するも、過去のホステス経験が問題となって内定取り消し騒動へと発展する笹崎里菜さんも、ミス東洋英和なのである。

下田さんと笹崎さんは同じ学年だったが、下田さんの出場は4年生のとき、笹崎さんの出場は1年生のときなので、ミスとしては3年ずれている。
それでもやはり、一躍有名になりすぎてしまった、その"ミス東洋英和"という肩書きは先行する。下田さん本来とは違うイメージで見られてしまうこともあっただろうし、正直ボク自身も会う前はそんなイメージも抱いてしまっていた。


打算的、チャラチャラしてる、傲慢......世間が勝手にその肩書きにつけるイメージは様々だ。

だが彼女は、打算という言葉をちょっと違う意味で使った。

「私、打算的だから、結婚しそうな相手じゃないとつきあえないんです」
え、それって、年収いくら以上の人としかつきあわないとか決めてるってこと?

「そうじゃなくて、全然そういうことは気にしてないんですけど。この人とはずっと一緒にいられそうだなって感覚のわく人じゃないと、つきあわないようにしてるんです」

それは全然打算的って言わないよ!むしろチャラチャラしてなくて好感度高すぎる!

そして取材が終わる。話を聞いたカフェを出ようとすると、彼女が"本気で"お金を払おうとしてきた。
「だって、取材して頂いてるのに、お金まで払って頂くなんて......申し訳なさすぎます」
なんてイイコ!傲慢さのかけらもない!
きっとこのコは、今後どんな肩書きを身にまとおうとも、ちゃんと自分であり続けるに違いない。


下田ありさの身につける"肩書き"は、打算でもなんでもなく、"真剣に生きようとする女のコの人生計画"であり、ちゃんと生きた証拠なのだと思う。

文・写真:霜田明寛
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