ギャングと「秘密の協定」を結んだFBI捜査官に隠された野望とは?【映画『ブラック・スキャンダル』集中連載⑤】

AOL News Staff

第五回:正義と悪の一線を越えたFBI――。全米騒然の衝撃スクープの真相に迫る

ジョニー・デップが実在するギャング、ジェームズ・"ホワイティ"・バルジャーを演じ、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチと三つ巴の演技バトルを披露する、実話を基にした『ブラック・スキャンダル』が、2016年1月30日(土)から全国ロードショーとなる。

AOL Newsでは、『ブラック・スキャンダル』の首謀者"バルジャー"特別捜査班を編成、"アメリカ史上最大の汚職事件"を描いた本作を9週にわたって検証していく。

【第一回】全員ワル!FBIも恐れたバルジャー率いる地獄のギャング集団「ウィンターヒル"ギャング」

【第二回】実録!米史上最大の汚職を招いたFBI捜査官とギャングの「秘密の協定」

【第三回】ベネディクト・カンバーバッチ、史上最悪の犯罪王の弟で若き政治家を熱演「俳優としてやりがいがあった」

【第四回】ダコタ・ジョンソン、女子大生愛人の次はギャングの「極妻」!裏の顔を持つ男とのタイマン演技

第五回は、 ギャングとの《秘密の協定》を結んだFBI捜査官ジョン・コノリー、上官のチャールズ・マグワイア、同僚のジョン・モリスを追う。それぞれを演じたキャストの貴重な証言の先に浮かびあがるのは...


1974年、ジョン・コノリーがニューヨークである人物を逮捕する。彼の名はスティーブ・フレミ。バルジャーの右腕であるウィンターヒル・ギャングだ。その後、フレミは不起訴となり釈放されボストンに戻り、翌年にコノリーがFBIボストン支局に着任する。FBIとギャングの《秘密の協定》の萌芽は、既にこの時点で生まれていたのかもしれない。この時、FBIボストン支局の捜査官たちは、その先に待ち受ける史上最悪の汚職事件を予想すらしていなかった。

悪に染まる捜査官ジョン・コノリーを演じたジョエル・エドガートンは、「FBIに入った当初はまっとうな志があり、立派な法の番人を目指していた。だけど、彼の地元ボストンでは正義と悪との境が実にあいまいだ。憧れの星が悪の側にいるとなれば、志も変わる。地元の犯罪者が何の制約も受けずに伸び伸びと暴れまわっているように見える。ジョンはそんな光景を目の当たりにして......次第に悪に染まっていった」のではないかと分析する。


コノリーには、アイルランド系アメリカ人として、同じサウシー出身のバルジャーと同様の気質がある。同郷の仲間との地縁を大事にすること。旺盛な出世欲でトップを目指すこと。宿敵のイタリアン・マフィアを倒すことだ。サウシーの絆を重んじる彼は、FBIとギャングが秘密の協定を結び、バルジャーを情報提供者として抱き込みマフィアを打倒する《秘策》を思いつく。

当時、FBIはフーバー長官の指揮の下、勢力を伸ばすイタリアン・マフィア対策を強化していた。そのためには、コノリーの《秘策》は絶好の提案だ。だが、FBI主任捜査官チャールズ・マグワイアは断固として反対する。ケビン・ベーコンが扮するマグワイアは、複数の捜査官をミックスした映画に登場する唯一架空の存在だ。監督のスコット・クーパーは、「彼は実在の主任捜査官を何人かミックスして作り上げた架空の人物だ。本物の主任捜査官は3〜4年で異動になるが、この作品は数十年のスパンを描いているから、FBIの戦略を最後まで見届けるキャラクターが必要だった」と説明している。


強い倫理観をもち、腐敗を憎む彼の指摘は的確だ。まず、現役のギャングがFBIの密告者になるわけがない現実。次に、バルジャーはアルカトラズ刑務所で刑期を短縮するために、CIAによるLSD(向精神薬)の被験者になった事実。ただでさえ要注意人物であり、薬の後遺症で幻覚に悩まされる男であること。つまり、「FBIが望む情報を与える"まともな人物"ではない」と指摘したのだ。

だが、コノリーもしたたかに食い下がる。何人もの捜査官を配置しながら、宿敵であるアンジュロ・クライム・ファミリーの情報を掴めていない捜査の現状を嘆く。サウシーの絆でバルジャーと結ばれた幼なじみの自分ならば「望む情報」が得られると啖呵を切る。窮したマグワイアは経験豊かなジョン・モリスに意見を求める。「失う物がないのならやるべきだ」----モリスのこの言葉が、史上最悪の汚職事件への事実上のGOサインとなる。


ここに紹介した写真は、モリス本人とコノリーによる盗聴作戦で聞き耳を立てる劇中シーンだ。

モリスを演じたデイビッド・ハーバーは、「コノリーは自信家で目的を達成する能力が高い。モリスはそんなコノリーに憧れに近い感情をもつ。コノリーはバルジャーを協力者にする考えを必死でアピールし、モリスをまんまと説得する。ところが、2人は一線を越え、ギャングと癒着するようになる。モリスはバルジャーの歓心を買いたい一心で、キャリアも将来も犠牲にしかける。バジャーは、目の前で愛嬌を振りまいていても、次の瞬間には手のひらを返すように豹変する男だ。モリスはそれに気づき、ようやく目を覚ます。そこからカウントダウンが始まるんだ」と語っている。

この指摘の通り、《秘密の協定》の主導権を握っていたはずのFBIは、慎重なモリスすらもバルジャーの巨悪に囚われ、史上最悪の汚職事件に加担していく。もはや後戻りできない状況の中、遂にカウントダウンが終わる。

バルジャーはFBIの情報提供者だった――
1998年、驚愕の見出しが「ボストン・グローブ」紙の一面を飾った。その後約10年間で、FBIとバルジャーの癒着の実態が徐々に明らかになっていく。同紙の記者で衝撃のスクープを行ったディック・レイアとジェラード・オニールは、のちに事件の全容を一冊の本「ブラック・スキャンダル」にしたためる。事件を追う2人の記者の前には、悪の魔力から目を覚まし、匿名を条件に取材に応じたジョン・モリスがいたという。

次回の特捜班レポートは、FBI捜査官の夫ジョン・コノリーを深く愛する妻マリアン・コノリー。悪に染まっていく夫の変化に最初に気づくオンナの直感とは...。ご期待下さい。

映画『ブラック・スキャンダル』は、2016年1月30日(土)より、全国ロードショー!

■公式サイト:www.black-scandal.jp

■ハッシュタグ:#ブラックスキャンダル

https://youtu.be/jaHqN1eBs-M


(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC


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