死刑囚と獄中結婚する難役に挑んだ田中麗奈に直撃 『葛城事件』は「一度観たら、絶対に忘れることができない作品」


次男が8人を殺傷する無差別殺人事件を起こしてしまうある家族の崩壊劇を描いて、公開後に反響を集めている『葛城事件』。死刑判決を受ける次男(若葉竜也)と獄中結婚する女性・星野順子を、女優の田中麗奈が匿名性の高い演技力で好演している。死刑制度反対を訴える星野という女性についてどう理解を深め、表現したか。演じた田中に話を聞いた。


――死刑囚と獄中結婚するという、言ってみれば難役だったと思いますが、まず演じる上での準備は、大変だったのではないでしょうか?

まずモチーフとなっている事件を調べていきました。今回演じた星野は死刑に反対運動をする団体に入っているということだったので、死刑に反対する人たちの考えを知ることで星野という女性像を作る参考にしました。

――たとえば、どういった意見がありましたか?

人の命を人が奪うことは、それこそが罪であって人は神ではないという意見や、死ぬことが罪を償うことにはならない、という考え方。死刑は、野蛮だという意見もありました。とても興味深かったですね。


――監督と脚本を手がけた赤堀雅秋監督とは、星野像についてどのようなディスカッションをしましたか?

星野は新興宗教に入っているようなイメージの女性で、たとえば彼女を電車の中などで見かけた時に、決して幸せそうではない、不幸そうな人だと言われていました。ある新興宗教のインタビューや生活の映像を見て、芝居の参考にしました。

――また今回は、すべての元凶と言ってもいい葛城清役の三浦友和さんのクズ男っぷりが早くも話題になっていますが、共演されてみていかがでしたか?

たとえが合っているかわかりませんが、海外の俳優さんを観ているようでした。日本人ならではの細やかなお芝居にプラスして、大きめな体を使っていく表現にも、匂いを放っていくような......。迫力がありますよね。


――とんでもないクズ親父なのですが、どうにも惹かれてしまう不思議な魅力も放っていて、複雑なキャラクターを三浦さんが演じていますよね。

女性から観ると、ちょっとかわいらしいんですね。女々しいというか、ささやかな夢を彼は見ていて、理想の生活や家族像があり、そこへの執着が異様に強い。最低な父親だけれど、憎めない。どういうわけか魅力的に感じる。三浦さんの人間力から出てくるものもあったんだと思います。

――我々は報道として知りますが、日常の中に闇がひそみ、それが増幅していくと『葛城事件』のようなことが起こるかもしれないという遠い世界の話ではないことを、この映画を観て感じました。

フィクションですが葛城家は本当に存在しているような気がしてくる。生々しいというかすごくリアリティーがある作品だと思います。一度観たら、絶対に忘れることができない作品になっていると思います。


映画『葛城事件』は、新宿バルト9ほか全国大ヒット公開中!



(C)2016「葛城事件」製作委員会

■参照リンク
映画『葛城事件』公式サイト
katsuragi-jiken.com

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