イケメンすぎない主役のほうが映画はあたる?!
「イケメン」という言葉が流行りだして早10年強。この「イケメン」というキーワードに、過去10年の消費社会でどれだけ巨額のお金が動き、そして私を含むどれだけの女子たちが惑わされてきたことか(笑)。「イケメン」の基準はいろいろあるけれど、やっぱり美しい男子の活躍する様子は見たいし、映画やテレビで「イケメン」が主演するほうが成功するに決まっている。
とはいうものの、この数年の映画業界を観察するに、実はイケメンでないほうが話題を呼びやすく、映画が興行的にあたりやすい気がしてならない。映画制作側にとっては、3Dなどでかさむ製作費のなか、高給取りのスター級を使うのは考えどころなのか、まだまだこれから、という俳優の中からキャストを探すことになるだろう。そこで重要なのは男性の観客には「オレでもイケるかも?」、女性の観客には「ワタシを裏切ることもなく優しそう」と共鳴と安心感を与えられること。結果、ギャラが安い割には映画が当たるから、そこそこコスパがいいというわけか。映画会社や大物製作者に重宝がられて、ポジティブなスパイラルが回っていくのだろう。
それぞれタイプが違うけれど、「イケメンでなくても当たる主役」になるには、共感や安心感に加えて、アクションを演じられないとダメ。大きく興行で成功するためには、これ重要。それに少しのコメディ要素もあって、かつ自己を消して様々な役を演じられる多様さがないとダメらしい。また、女子へのアピールには、地味ながら控えめなセクシーさがあり、つかみどころがないけど頼れるところがないと、とも思う。「イケメン」という言葉が生まれて10年。これから先の10年は、中身で勝負の時代が本当にやってくるかも?
続きを読む

![]() |
|
![]() |
|
![]() |
|
![]() 彼を観たいがためだけに「X-Men/ファーストジェネレーション」を観に行った。顔が美しいわけでもなく、身長が高いわけでもなく、体型のバランスも悪い。シャイア・ラブーフ同様、自分のルックスをよく理解していて、「醜くはないと思うけど、いわゆる典型的な、ブラッド・ピットみたいな主役を演じられる俳優ではないのはわかってるよ。」とコメントしているらしい。 そもそも最初に注目を浴びたのは「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」の半人半馬のタムナスさん役。半分馬だからなんともいえないが、かなり鈍くてダサめな脇役の印象。それが翌年の「ラスト・キング・オブ・スコットランド」での主演でガラっと違う様子を見せた。若いスコットランド人の医者を演じ、英国アカデミー賞の最優秀助演男優賞にノミネートされ、「地味なオタクっぽいけど、スゴイかも?」と思えた。個人的にはその後の「ペネロピ」がお気に入り。金目当てで醜い金持ちの娘ペネロペに近づくものの、やがては一途に彼女を愛するようになる。そのせつない演技が、女子にはたまらない。その後、「つぐない」でゴールデン・グローブ賞にノミネートされ、演技力も認められてハリウッドで注目されるようになる。また「ウォンテッド」でアクション映画のオタクな主役を演じてアンジェリーナ・ジョリーとも共演し、キャリアの転換を図る。そして「X-MEN」に主演した。"私だけのジェームズ"と思っていたファンとしてはあのままインディ映画にいてほしかったけど、成功が嬉しいのも正直否めない。8歳年上のアラフォー女性と幸せに結婚しているところも我々年上女性の心をくすぐる。 |
|
![]() |
|
![]() ソニー・スタジオに勤務していた友人が、近所でフツーの日本車を運転する彼を目撃したらしいが、あまりにフツーで最初全く彼だとわからなかったらしい。 |
|
![]() |
|
![]() |
それぞれタイプが違うけれど、「イケメンでなくても当たる主役」になるには、共感や安心感に加えて、アクションを演じられないとダメ。大きく興行で成功するためには、これ重要。それに少しのコメディ要素もあって、かつ自己を消して様々な役を演じられる多様さがないとダメらしい。また、女子へのアピールには、地味ながら控えめなセクシーさがあり、つかみどころがないけど頼れるところがないと、とも思う。「イケメン」という言葉が生まれて10年。これから先の10年は、中身で勝負の時代が本当にやってくるかも?