カーズのリック・オケイセック、再結成や新作、オールの死について激白

リック・オケイセックは1998年に解散したカーズの再結成はないと断言していた。そしてバンドの再結成の可能性は、2000年にヴォーカル兼ベーシストのベンジャミン・オールの死でさらに遠のいていた(オールは「Just What I Needed」等のヒット曲でヴォーカルを務めていた)。さらに、2005年に一部のメンバーを入れ替えての再出発も物議を醸していた。

しかしながらメンバーは、わだかまりを抱え続けるには、人生はあまりにも短いことに気付く。オケイセックは2010年、メンバーを再招集し、最初のセッションからわだかまりはすっかり過去のものとなったのを感じた。そしてカーズは"回顧主義の何か"になるよりも、『Move Like This』のレコーディングを敢行することを選んだ。この作品は、バンドが絶頂期を迎えていた80年代の音楽同様、しっくりとくる1枚となった。

<Spinner>はこのほど、オケイセックにアルバムやこれを引っ提げてのツアー、そしてオールの死をどうやって乗り越えたのかを聞いてみた。

Spinner.com(以下、S): なぜ、4人だけで出発しようと思ったのですか?
オケイセック: ベンの代わりになる奴なんて、いないと思ったのさ。(代わりになるのは)俺たちでもないと思った。ヴォーカルまたはベースに誰か他の人を入れて、「カーズ」を名乗るなんて考えられなかった。いまいちしっくりとこなかったんだよ。グレッグ(・ホークス、キーボード)もエリオット(・イーストン、ギター)もベースを弾ける。バンドにはベーシストがいるんだ。だがヴォーカルはいなかった。俺はすべてを歌わなくちゃならなかったんだが、俺が全曲手がけていたから問題はなかったね。誰かを入れると、ユーモアのセンスや足跡も違ってくるんだ。それはまるで、雇われバンドがいて、自分たちがすべきことを自分で考えなかったようなものさ。

S: レコーディングの間、特にベンの不在を感じるときはありましたか?
オケイセック: 間違いなくそれはあったね。ベンが曲の半分を歌わないもんだから、俺が全部歌わなくちゃならなかった(笑)。「うわ、俺がやらなくちゃいけないのか。そのパートは忘れちゃったよ」ってな感じかな。レコーディングのリハーサルをした最初の日を思い出すね。「そうだな、誰かがいないな。ベンだ、奴がいないんだ。今は俺たち4人だけになってしまったんだ」って思ったね。

S: 『Move Like This』はベンへのトリビュート盤ですか?
オケイセック: ノーと言わざるを得ないかな。俺たちは皆、ベンのことを愛しているけれど、トリビュート盤は作らなかった。自分のソロ・アルバム『Nexterday』で奴のための曲「Silver」は作ったけどね。ベンの自伝的な曲を作ったんだ。

S: 今回のアルバムには全体的なテーマがありますか? あなたは自分の居場所を受け入れて、未来を見据えているように思えるのですが。
オケイセック: まさにそうだね。それこそがテーマなんだ。「世界では今、何が起きているのか?」っていうのがたくさん盛り込まれている。もしかしたら、ちょっとした皮肉や、奇妙なところもあるかもしれない。俺が最近、そして今年に入って思っていたことを表現しているんだ。

S: なぜアルバムのタイトルを『Move Like This』にしたのですか?
オケイセック: 面白いと思ったからだよ(笑)。収録曲の1つの歌詞でもあるんだけどね。今回は色んなタイトル候補があったけれど、俺にとっては『Move Like This』(このように動け)は「どうやって動けってんだ?」って感じだったから、面白いと思ったのさ。まるで誰かが、ラジオで「こんな風に動いたら...」って言うのを聞いているみたいで、自分がどう動いているかを想像しなくちゃいけないからさ。実際に見るよりも、それを聞く方が面白いだろ。

それにカーズは、ステージであまり動いたりしない。俺は自分のことをエンターテイナーだと思ったことはないし、偽物の動きはアリだなんて考えもしなかった。中にはそれが得意な奴らもいるけどな。上手な動きができるのなら、パフォーマンス上手なイギー・ポップのようになりたいね。俺はただ、あまりダンスをしたいと思わないんだ。音楽に乗せて、誰かがダンスをするのを望んでいただけなんだよ。

カーズ 「Sad Song」
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