ジャーニーのジョナサン・ケインが語る、「信じることをあきらめない」大切さ

ジャーニーのキーボード担当で、ギタリストでもあるジョナサン・ケイン。ジャーニーの代表曲のタイトルでもある「Don't Stop Believin'」(直訳:信じることをあきらめない)は、ケインが恐ろしい火事から生還した8歳のときから、彼の信条となっていた。そんなケインに、<spinner.com>がインタビューを試みた。

1958年にカトリック系のアワ・レディー・オブ・ザ・エンジェル小学校で起きた大火災では、92名の小学生と、3人の尼僧が亡くなった。同校に通い、辛うじて助かったケインは、これからは意味のある人生を送ろうと心に決めたという。

大人になったケインは、キーボーディストとしてジャーニーの活動に参加し、1980年代を通じて多くのヒット曲を手がけてきた。中でも、バンド加入から間もない1981年に発表した「Don't Stop Believin'」は、米ビルボード・シングル・チャートで最高4位を記録する大ヒットに。この曲は近年、ドラマ「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」の最終回で流れたり、青春ミュージカル・ドラマ「glee」でカヴァーされたこともあり、再び脚光を浴びている。

一方、2008年にはフィリピン出身のアーネル・ピネダを新たなヴォーカルに迎え、本格的な再始動を果たしたジャーニー。同年夏のアルバム「Revelation」は全米チャートで初登場5位を記録した。


Spinner.com(以下、S): 鮮やかなカムバックでしたね。再びチャート圏内に入ると思っていましたか?
ジョナサン・ケイン(以下、ケイン): ありふれた言い回しだけど、僕たちは「Don't Stop Believin'」を作ったし、そのタイトル通り、ずっと「信じることをあきらめない」でやってきた。アーネルをバンドに迎えたことで、メンバーは皆、何か特別なことが起きると信じていたんだ。彼の歌声はメンバーをも圧倒したから、ファンも同じだろうと思っていた。

S: 多くのバンドが解散時に、「また戻ってきたい」というようなことを言いますが、ファンとしては「まず、ありえないだろう」と思っています。でも、あなたたちは違った。
ケイン: 「ザ・ソプラノズ...」や「glee」が僕たちの「Don't Stop Believin'」を使ってくれたこともあって、良い風が吹いていたんだ。

S: 新作「Eclipse」の収録曲「City of Hope」には、「Never stop believing」(直訳:信じることを、ずっとあきらめないで)というくだりがあります。これは「Don't Stop Believin'」へのオマージュでしょうか?
ケイン: そんな感じかな。この曲はアーメルについて歌ったナンバーで、(フィリピンの首都)マニラに滞在していたとき、ニールと僕が書いたんだ。僕の頭にこの歌詞が浮かんだ。(アーメルの)家族や友達との出会い、彼が育った場所を訪れたことにもインスピレーションを受けたね。「この人たちはまさに、『Don't Stop Believin'』の歌そのものだ」と思ったんだ。彼はマニラに生まれ、かなり苦労を重ねてきた。そしてYouTubeで自らの道を切り開き、僕たちがそこで彼を発見したってわけさ(注:アーネルが歌うYouTube映像をジャーニーのメンバーが見たことが、彼の加入のきっかけとなっている)。

S: あなたに「Don't stop believing」と声をかけてくれたのは、あなたのお父さんだと聞きましたが。
ケイン: そうさ。LAで一旗揚げようと必死になっていたころでね。空腹にあえいでいたし、成功に近づきそうになったと思ったら、どん底にたたき落とされるって感じの日々だった。自分がどうなるのかもわからなくなって、一時は音楽からも離れた。ステレオを売り、畑違いの仕事もしたさ。自分を見失っていたんだ。それに僕は、父親から金を借りていた。自分の家賃をどう捻出しようかと悩んでいたんだ。彼は「自分の信念を貫き通すんだ。"信じることをあきらめなければ"物事は上向くはずさ」と、僕にお金を送ってくれた。金は後日、きちんと返すことができたよ。父親は「俺が言った通りだろ」と言ってた。

S: 「Don't stop believing」という歌詞は、あなたの信念そのものですよね。とても力強いというか。
ケイン: 当時、父親はシカゴにいて、僕はロサンゼルスにいた。彼には「もうダメだ。シカゴに戻ってこい」と言うこともできたはずさ。だけど実際は、そんなことを言わなかった。僕には何か大きなものが待っていると、彼は信じていたんだ。それが何なのかは、父親にも僕にもわかっていなかったけどね。

そういえば、(大火災に遭遇した)8歳のころ、父親に連れられて行ったバーで、バーテンダーに「あなたの息子さんは、音楽のレッスンを受けてどうするんですか?」って言われたことがある。彼は「こいつはいつか、有名なミュージシャンやソングライターになって、何千もの人の前で演奏するだろうよ」って答えていたよ。
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