最新3D技術で古典も生まれ変わる:「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」

「バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソン監督が、古典小説の「三銃士」を新しい視点で現代の観客に向けて製作したというこの映画。私の年代だと、キーファー・サザーランドやチャーリー・シーンが出演していた「三銃士」が最も親しみがあるが、あれから18年。最高品質の3Dカメラを多用し、世界遺産でのロケとCGを合わせ、クライマックスは巨大な飛行船同士の戦いという、とてつもない規模だ。出演は「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」の時からかなり大人になったローガン・ラーマンをダルタニアン役に、ミラ・ジョヴォヴィッチやオーランド・ブルームを悪役に、「イングロリアス・バスターズ」の怪優クリストフ・ヴァルツも参加と興味深いキャスト。実はドイツ映画ということで先にドイツで公開され、初登場第1位を記録した。アメリカでは10月21日公開で、10月22日には第24回東京国際映画祭のオープニング上映作品にも決まっている。何度も映画化されている古典だけにどう一新されて世界市場に出て行くのか気になった。

17世紀フランス。従士に憧れ、田舎からパリに上京してきたダルタニアン(ローガン・ラーマン)。気が強く無鉄砲だが、剣に強く自信に満ち溢れている彼は、ある決闘から憧れの三銃士であるアトス(マシュー・マクファデイン)、アラミス(ルーク・エヴァンス)、ポルトス(レイ・スティーヴンソン)に出会う。三銃士と行動を共にすることになったダルタニアンは、影の権力者リシュリュー枢機卿(クリストフ・ヴァルツ)の裏切りによって奪われたフランス王妃の首飾りを取り戻す為、イギリスへと向かう。だが、そこには王妃との秘密を握るイギリスの貴族でレオナルド・ダ・ヴィンチが設計したという飛行船を操るバッキンガム公爵(オーランド・ブルーム)と謎の美女ミレディ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)の黒い影が。そしてダルタニアンと三銃士はリシュリューの腹心ロシュフォール隊長(マッツ・ミケルセン)を含む史上最強の敵との決戦の時を迎える。

3D映画は見慣れていても、やはりアクションシーンはド迫力。中世がテーマのゲームをしているような錯覚にも陥るが、最先端の3Dカメラを縦横無尽に駆使していて、バイオハザード的アクションの演出がそこかしこに見られる。ミラのワイヤーアクションをハイスピードで撮影したような映像や、クライマックスでの巨大な飛行船での空中戦闘シーンはなかなかのスケール。一方で最新映像技術を駆使しても、時代劇の古き良き伝統である剣のアクションシーンが多く見られるのがいい。特にダルタニアンと宿敵ロシュフォールの迫真の剣闘シーンは手に汗握る。

売り出し中のティーン・スター、ローガン・ラーマンは主役としての求心力は未だこれからだが、熱演の様子がとてもキュート。また三銃士役達は、知名度があまりなく地味ではあるものの芸達者揃い。中でもルーク・エヴァンスのイケメンぶりにはやられた。あんな美しい俳優がいたとは、自分の情報収集の甘さを反省...。ゴージャスなミラ・ジョヴォヴィッチは夫唱婦随というか、監督のご主人の期待に十分応え、悪女を個性的に演じている。ミラもオーランド・ブルームも悪役を演じたほうが演技の幅が広がりそうと以前から思っていたので、今回のアクの強い役は良いチョイスだと思う。オーランドの極悪だがコミカルな役は、もっと振り切っても良かったかなとも思うが。クリストフ・ヴァルツは文句ナシのスノッブな悪役ぶり。全体的に話の進み具合が間延びしたり、芝居がかりすぎたところも否めないが、3Dアクション満載ながらも、17世紀のヨーロッパにタイムスリップして当時の雰囲気にどっぷり浸れる。

原作者のアレクサンドル・デュマが観たら相当驚くだろうと思われる派手で華やかな映画化。新しいが、どこか懐かしさもある。「バイオハザード」シリーズでキャリアを確立したアンダーソン監督の代表作となるか、公開後の動向に注目したい。


10月28日(金)よりTOHOシネマズスカラ座ほか全国3D・2Dロードショー

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