ピーター・フック、ニュー・オーダーの再結成に物申す!

2007年、ニュー・オーダーの解散を宣言したベーシストのピーター・フック。しかし、残りのメンバー、バーナード・サムナーとスティーヴン・モリスの2人は「寝耳に水」とばかりに解散を否定。フック抜きでの活動の継続を主張したが、フックがこれを認めず、前身バンドのジョイ・ディヴィジョン時代からの仲間だったサムナーおよびモリスとの亀裂が深まった。

それ以来、事実上解散状態となっていたニュー・オーダーが、今年10月、ついにフック抜きで再結成。病床の映画監督、マイケル・シャンバーグを支援すべく、2度のチャリティー・コンサートに出演した。さらに、12月10日にはロンドンにて、ニュー・オーダーとしては実に5年ぶりのライヴを行なうことも決定している。

一方、自身のバンド、ザ・ライトを率いて、ジョイ・ディヴィジョンのアルバム「Unknown Pleasures」の楽曲をパフォーマンスしているフック。この行為が、メンバーや一部のファンから反感を買っているが、「ジョイ・ディヴィジョンの遺産は自分の遺産でもある」というのがフックの持論のようだ。そんな彼が、ニュー・オーダーの今回の再結成や、仲のこじれてしまった元バンドメイトへの思いを、言葉を選びながらも<Spinner.com>に打ち明けた。

Spinner.com(以下、S): そもそも、あなたがジョイ・ディヴィジョンのアルバムの楽曲を演奏し始めたのは、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーの発言に影響されてのことだったとか?
アイツが言ってたんだ。(プライマル・スクリームの名盤)「Screamadelica」の曲で、当時あまり演奏しなかったのがあるんだが、今になってそれは間違いだったと思ってるってさ。その言葉に、俺もなるほどと思ったんだよ。「Unknown Pleasure」にも、ほとんど演奏したことのない曲があってさ。ニュー・オーダーからいったん抜け出してみて、客観的に見たときに、「なんで俺たち、これらの曲を今までやらなかったんだろう。俺たち3人が書いた曲でもあるのにさ」って思ったってわけ。

1番の問題は、バーナードがジョイ・ディヴィジョンを好きじゃなかったっていうことだろうな。ヤツはどちらかっていうとニュー・オーダーのほうが好きだったし、それはそれでもっともなことだと思うよ。(ジョイ・ディヴィジョンとは)完全に別モノだしな。でも、どっちのバンドの曲も演奏するのが楽しくて仕方ないっていう、俺のような人間にとっては、(バーナードの反応は)すごく異常な感じがしたってだけさ。だから俺はマンチェスターにある自分のクラブ(ファクトリー)で自分のバンドを結成して、ジョイ・ディヴィジョンの曲を演奏したまでだよ。

S: (2007年に)あなたがニュー・オーダーの解散を発表したのは、バンドが直面していた問題から逃げはしないという、あなたの意思の表れだったのですか?
当時何が起きていたかって、俺がもうバーナードと一緒にやるのが楽しめなくなってたんだ。バンドや音楽に対する熱意がメンバー間でかけ離れすぎてしまって、また1つになるのはもはや困難な状態だった。最後のアルバム(2005年の「Waiting for the Siren's Call」)を作るのも苦痛だったよ。3年もかかっただなんて、まったくバカげてる。あんな経験は、俺はもう2度とゴメンだね。みんながみんな「バーナードを怒らせるな」と必死だった。ホント、バカみたいだ。強迫観念にかられていたんだよ。

S: いろいろと意見の食い違いはあると思いますが、音楽のためにも、メンバー全員でそれらを克服できる日は来ると思いますか?
どうだろうな。だってアイツらは、俺抜きでニュー・オーダーをやろうと決めたんだぜ。それなら(フックのバンドの)ザ・ライトがジョイ・ディヴィジョンだって言い張るのと同じだろ。あれはニュー・オーダーなんかじゃない。アイツらがそう見せようと必死になってるだけさ。たとえば俺がスティーヴンと(今回の再結成で久々にバンドへ復帰したキーボーディストの)ジリアン(・ギルバート)と表に出て行って、ニュー・オーダーだと言い張れば、「バーニーはどうした!?」って言われるだろう。この先、ヤツらはずっとそいう目に遭うんじゃないの? つまりインタビューのたびに「フッキーは?」って死ぬほど聞かれるってわけさ。そこから逃れるのは難しいだろうね。それでもヤツらはやるっていうんだろ。それも主に経済的な理由でさ。

S: しかし今回はそもそもチャリティー公演という話ですが...
もうすでにアメリカ・ツアーをやるとふれ回ってるって話だぜ。俺の仲間から昨日聞いたよ。ヤツらはチャリティー・ギグを隠れ蓑にしてるだけさ。

S: ニュー・オーダー名義で彼らがツアーするのを阻止したいという思いは?
いや、それはない。アイツらが俺にしたこと、つまりニュー・オーダーとしてツアーするっていうことには、はっきり言ってムカついてるよ。もし、あらかじめ俺のところに来て、ニュー・オーダーとしてツアーに出ると話してくれてたら、別に構わないんだろうけどさ。だが、こっちより向こうのが、人数が多いからな。多数決で負けちまうだろ? 裁判官だって、きっとこう言うさ。「うーん、彼らのが君より多いね、フッキー。君に彼らを阻止することができるだろうか?」ってね。

S: では、もし他のメンバーたちが明日、あなたに電話を寄こして、「俺たちが悪かった。君にも参加してもらうべきだったんだ」と言ったら...
(大声で笑い、笑みを浮かべながら)いいね。

S: 誘いに乗ると?
ああ、100パーセントそうするね。ピクニック用の食事を持って、ヤツらの家に遊びに行ってやるよ。1日中、一緒に過ごせるようにね。


Peter Hook And The Light - Pictures In My MInd (EP『1102 / 2011』)
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