デュラン・デュランのサイモン・ル・ボン、「大切なのは最高の音楽を作ること」

80年代を代表するロック・バンドの1つで、「Rio」や「Hungry Like the Wolf」、「New Moon on Monday」など、数多くのヒット曲をリリースしてきたデュラン・デュラン。現在はマーク・ロンソンをプロデューサーに迎えた最新アルバム「All You Need Is Now」を引っ提げ、ツアーを展開中だ。そんな中、<Spinner>は声帯の不調から回復し、ツアーに臨むフロントマンのサイモン・ル・ボンにインタビューを試みた。

Spinner: バンドは今週(注:インタビューが行なわれたのは20119月)から北米ツアーをスタートしますが、準備はできていますか?
サイモン・ル・ボン: もちろん。イギリスでのリハーサルや、観客が少人数の前哨戦ライブはとても楽しかったしね。準備万端さ。

S: あなたは高い声域が出なくなり、結果としてこの夏の欧州ツアーはキャンセルしなくてはなりませんでした。今の状態はいかがですか?
サイモン: かなり良くなったんじゃないかな。いや、間違いなくかなり良くなったね。ツアーをするのは問題ないよ。声帯の調子が悪くなったときはショックだったけどね。これまでに経験しなかった類のことだったから。

S: 調子が悪くなったのはステージ上ですか?
サイモン: そうなんだ。カンヌでパフォーマンスしていたときだね。数多くの医者に診てもらって、音声療法も受けたんだ。(声帯の調子が悪い人のために)やりやすい歌い方も教えてもらったよ。

S: それ以前はボイストレーナーの指導も受けていましたか?
サイモン: ボイストレーナーのところに行ったりもしたけど、それが自分にとって正しいこととは思えなかった。音声療法を受ける方が役に立ったね。自分には独特の歌い方があるんだけど、トレーナーは自分が正しいと思う歌い方になおしたかったみたいだし。

S: 年月が経つにつれて、バンドでやる楽しみが増していますか? 以前よりもステージに立ってパフォーマンスしたすくなったとか?
サイモン: やりやすいことは確かだ。ツアーのやり方もわかってくるし、無理をせずにステージを立つ方法もわかってくる。

S: デュラン・デュランは、マーク・ロンソンやシザー・シスターズのアナ・マトロニックなど、若い世代とも仕事をするのをいとわない気がします。もともとバンドのファンだった彼らと一緒にやっていく理由を聞かせてください。
サイモン: 彼らはファンであると同時に、一流のミュージシャンでもある。ファンである前に、ミュージシャンなんだよ。マークは最初、「バンドが作らなくてはならないのは、どんな作品かわかっているよ。ファンと再びつながりを持てるようなものさ」って言ったんだ。以前の作品では、ファンとのつながりがあまり感じられなかったからね。マークは何が必要なのかを考えていたんだ。アナのことは何年も前から知っていて、あの曲(「Safe (In the Heat of the Moment)」)でラップをやってほしいと思っていたのさ。

S: 「All You Need Is Now」のレコーディングは基本的に、1つの部屋にバンドだけが集まって行われましたよね。これはアルバム制作の新たな形ですか?
サイモン: そうなんだ。というか、これまでもずっとそうしてきたよ。アルバムを作る最初の段階でメンバーが自分を表現することは、メンバー全員に敬意を表していることになるんだ。それに、そこから何か素晴らしいものができることもある。だけど今回のアルバムのほとんどは、あまり手を加えていない楽曲で占められている。最初にジャム・セッションをしたときのものが、そのまま収められているのさ。(これまでと)違うのは、プロデューサーを迎えたことと、歌詞も一緒に書いたことかな。初期のデュラン・デュランで良かった点は、俺たちが名ミュージシャンじゃなかったってこと。自分たちの作品には当時、そして今も人々を引きつける荒々しさや率直さがあるんだ。

S: 長年一緒にやっていると、問題もあると思うのですが。
サイモン: バンドとしてやっていく上で、俺たち全員が理解していることがいくつかある。それは、すべてにおいて一番大切なのはあくまでも音楽だってことさ。エゴや個人的な問題は脇に置いておくんだ。最高の作品を作るのが、一番のプライオリティってわけ。

S: 作詞をする上でのインスピレーション源は?
サイモン: 自分の頭に浮かんだことかな。本や物事、それか特定の人物に夢中になって、それらが作品になることもあるね。例えば、「Union of the Snake」や「Hungry Like the Wolf」はジム・モリソンや彼の歌詞から影響を受けたものさ。だけど人間の頭にはありとあらゆる物事が浮かんでいて、ネタが枯れるなんてことはない。アイデアに詰まることはあるけど、ちょっと考えてみれば、また新たな考えが浮かんでくるんだ。

S: 作詞は腰を下ろしてとりかかりますか? それとも街を歩いていて、浮かんだものを紙切れに書き留めるんですか?
サイモン: 自分の頭の中にメロディーや歌詞が浮かんだら、そのときに何をしていようと、心に残っているものなんだ。子供たちに食事を作っていたり、犬の散歩に出かけていたとしてもね。だけど常に、少なくとも1つの曲は頭に浮かんでいて、無意識のうちに(音や歌詞などを)つなぎ合わせている感じかな。
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