カーボベルデのベテラン歌手・セザリア・エヴォラ死去、享年70歳

グラミーを獲得したベテラン女性歌手セザリア・エヴォラが12月17日、彼女の出身地であるカーボベルデで死去した。享年70歳であった。

1941年、西アフリカ沖の大西洋に浮かぶ島国カーボベルデにある港町に生まれた彼女は、10代の頃から歌うことを始めた。友人に頼み込んで紹介してもらった酒場のステージでのデビューであった。ギャラとして無料でお酒をもらいながら、次第に彼女は「裸足のディーバ」と呼ばれ、有名になっていく。ニックネームは当時いつも彼女が裸足でステージにあがっていたことに由来しているのだとか。

仏紙<ル・モンド>は、後に彼女の声を'魂を和らげることができる'声だと絶賛している。そう、セザリアは一夜にして有名になったのではない。長い時を経て彼女が世界的な名声を得たのは、1988年にアルバム『裸足の歌姫(La Diva Aux Pieds Nus)』がヒットしてからだ。さらにその7年後に発売されたメガヒット作品『セザリア』が、彼女にグラミー・ノミネーションとワールドツアーをもたらし、2003年にアルバム『Voz D'Amor 』でついに彼女は、グラミー賞・ワールドミュージック部門での受賞を果たしたのだ。

しかしその2年後、愛煙家でもあったセザリアに医師から心臓疾患の診断が下され、今年9月には脳卒中のために引退していた。

セザリアは、しばしばジャズ界のレジェンド、ビリー・ホリデイと比較され、彼女はカーボベルデの音楽スタイルを大衆化することに成功したのだと讃えられている。2000年に行われた<AP通信>のインタビューの中で、セザリアはこう語っている。「私たちの音楽はとっても多くのものからできているのよ。ブルースやジャズみたいだっていう人もいれば、ブラジリアンやアフリカン音楽みたいだっていうひともいる。でも誰もよくは知らないの。それが古い音楽かどうかってことさえわかららないのよ」

かつてポルトガルの植民地であったカーボベルデの小さな港町で、世界中の水夫を魅了し、やがて世界に羽ばたいたセザリアは、カーボベルデとその音楽に灯りを照らした。偉大な彼女の功績を讃え、冥福を祈りたい。


■関連リンク
ビル・エヴァンズなどと共演したジャズ・ドラマー、ポール・モーシャン死去
ボブ・ディランのプロデューサー、ドン・デヴィート死去
レゲエ・プロデューサー、フィリップ・"ファティス"・バレルが死去
続きを読む