iPodのもたらした10項目

アップル社がiPodを発売してから10年が経ったが、そのインパクトについてここで検証してみたいと思う。この小さな機械が私たちと音楽業界に、良くも悪くもどう変化を与えたのかについて、皮肉をまじえながら個人的な視点で10項目にまとめてみる。

10.レコードストアの崩壊
ベッドから出ることなく好きなバンドを探すことができるようになり、レコードストアに出かける必要がなくなったという考えがあると同時に、アナログレコードを買いに街へ出かけることを厭わない人も存在する。レコードストアが無くなることに対しては反対だが、同時に沢山の方法で音楽を手にすることができるようになったのは嬉しいことだ。

9.交通事故の可能性
2007年にニューヨーク州上院議員が、道路横断する時にiPodを使用することを禁止しようと提案したことがあった。確かにヘッドフォンをしていると意識が散漫になりがちだが、別に右左を確認するという行為をiPodが奪ったわけではないだろう。

8.アルバムの存在意義
MP3、そしてiPodの台頭によってアルバムの意味がなくなりつつある。しかし、1曲だけが欲しいというニーズが増え、またアートワークも気にしなくなってきている現在にも関わらず、多くのアーティストたちがアルバムをリリースし続けているのが現状だ。

7.通勤の楽しさ
乗り換えなしの通勤だろうと、複数の県にまたがる通勤だろうと、今は何千曲ものストックから自由に曲を選んで、簡単に移動することができるようになった。あとは電車自体の問題さえなくなれば完ぺきだろう。

6.小ささの問題
ニューオーリンズのとあるホテルの従業員が、編集部で初めて買ったiPodを持っている。というのは、早朝の飛行機に追われてホテルのベッドにiPodを置いてきてしまったからだ。CDを持ち歩いていた時代にはこのようなことは決して起こらなかったはずだ(勿論朝の5時まで遊んでいた私たちも問題だが)。

5.しっかりと音楽を聴く人口の減少
スタンフォード大学のとある教授が個人的に行った6年間の調査では、彼の生徒たちは綺麗な音を聴くよりも、128kbpsのMP3ファイルの音の方を好んでいるという結果が出た。また、ヘッドフォンで音楽を聴くことは若者の聴力の低下につながっているとも言われている。Appleが画期的な対策を打ち出さなければ、将来的に我々の世代の問題になるだろう。

4.音楽ファイルの携行性
端末同士で音楽をやりとりすることの煩わしさはアナログレコードを持っているのと同義であり、クラウドが世界標準になるか、アップルがiTunesのシステムを変更しない限り、問題になり続けだろう。泣き言に聞こえるかもしれないが、正論だと言っておきたい。

3.壊れたら買い直せる
自分で修理できない製品に頼った生活を送るということが私たちにとって日常になってきており、多くの友人たちがiPodを壊してしまった瞬間を目撃してきた。ポータブルCDプレーヤーやカセットプレーヤーも同じじゃないかという人がいるかも知れないが、このような製品は簡単に修理できたし、また安価で修理することができた。

2.ポッドキャストの台頭
とある大学寮で「好きな時にダウンロードして聴けるようなラジオ番組を作ろう」というアイディアが持ち上がったが、長い議論を経て結局実現はしなかった。しかしこのアイディアは後に他人によって実現化されることになったのである。この話は事実である。というのは、この生徒たちは私たちの友人だからだ。きちんと実現させていれば今頃億万長者になっていただろう。

1.iPodは勝利者
iPodはZuneや他の競合製品を製造中止に追い込んだ。そしてそのCMは強く印象に残るもので、人々は新しいモデルが発売されるのを今か今かと心待ちにしている。私たちは数年前からこの製品の中毒者になっており、今では両親でさえ持っているし、将来自分たちの子供に生まれつき埋め込まれていても別におかしいとは思わないだろう。新技術が生み出されるまで、この帝国の安泰は続くだろう。
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