シンディ・ローパー、自分に影響を与えた女性ロッカーたちを語る

「女の子はただ 楽しみたいだけ / だけど中には ロックバンドに入りたい子もいるのよ!」と、昨年ドキュメンタリー映画「Women Who Rock」のホストを務めたシンディ・ローパーは語った。同作では、昔のコンサート映像やアーティストへのインタビューなどが紹介されており、あらゆる障壁を乗り越えてロックン・ロールの先駆者となった女性たちに敬意を表した内容となっている。

このドキュメンタリーは、ロックの殿堂博物館で開催された展覧会「Women Who Rock: Vision, Passion, Power」のオープニングと同時期に公開されたのだが、こういった出来事からみても、やっと"ロック界の女性たち"がリスペクトされるときが来たことが感じられる。今回<spinner.com>ではシンディに、彼女に影響を与えた女性たちや、音楽業界の女性に対する状況の変化などを聞いてみた。
Spinner: ミュージシャンになりたいと思ったのはいつ?
シンディ・ローパー: 昔からずっと歌っていたわ。11歳のときはすでに、姉と一緒にバンドに入りたいと思っていたの。12歳で作詞も本格的に始めたわ。作詞と絵を描くことで、高校時代はずいぶんと救われたものよ。

S: "救われたもの"というと、つらい時期を乗り越える手助けになったってことですか?
シンディ: そうよ。本当に助けられたわ。その後、ジョニ・ミッチェルと出会ったの。

S: ジョニを見たとき、自分の一部を彼女の中に見つけたんですか?
シンディ: いいえ。自分の可能性を見つけたの。そのおかげで、どんなことにも耐えられるようになったってわけ。

S: 今回のドキュメンタリーへのニーズが出てきたのは、どうしてでしょうか? (ドキュメンタリーに出てくる)女性たちの物語を伝える必要があるのはなぜ?
シンディ: 「あなたが(ドキュメンタリーの)ホストを務めるのよ」って言われたときは、感動のあまりちょっと胸が詰まってしまった。なぜならこの数年間、私は「どうして"ロックの殿堂"には女性があまりいないのかしら?」って思っていたからよ。厳密にいうと"ロックの殿堂"うんぬんじゃないんだけど、ワンダ・ジャクソンみたいな人が、どうして(ロッカーとして名をはせた頃からずっと後の)70代になった今になって、やっと殿堂入りするのかって思っていたのよ。80年代の終わりにエルヴィス(・プレスリー)が殿堂入りしたときに、女性ロッカーも殿堂入りさせるべきだったのよ。

S: あなたに影響を与えた女性は誰ですか?
シンディ: (ロックバンド、ハートの中心メンバーの)アンとナンシー・ウィルソン姉妹ね。彼女たちからはかなりのインスピレーションを得たわ。2人は女性ロッカーそのものだった。(バンドが結成・活躍した70年代には、同じ女性ロッカー・グループの)ランナウェイズもいたけど、彼女たちは短命に終わった。そうそう、ブロンディーもいるし、デボラ・ハリーは"革新者"だったわ。私も若かったけど、彼女たちみたいなことをやろうとしていたの。

スティーヴィー・ニックスやクリスティーン・マクヴィーは作詞も作曲もしていて、そこには居場所があるんだって思わせてくれたわ。歌手になるほかにも、活躍の場があるんだって教えてくれたのよ。私は彼女たちみたいになりたかったの。だけどもちろん、男性ミュージシャンでも憧れる人はいたわよ。

あとは、メイヴィス・ステイプルズ。調子のよくないときは彼女の音楽を聴くんだけど、おかげで気分がアガってくるわ。そう、ザ・ステイプル・シンガーズのメイヴィスよ。一度だけ彼女と歌ったことがあるんだけど、思わず泣いてしまったわ。

S: ウィリー・メイ・ソーントンが活動していた時代(=1940年代から80年代)から、音楽業界の女性を取り巻く状況はどう変わりましたか?
シンディ: ビッグ・ママ(ウィリー・メイ・ソーントンの別名)抜きには考えられないわね。(1900年代から30年代に活動した)マ・レイニーやベッシー・スミス、メンフィス・ミニーといったアフリカ系アメリカ人の女性歌手の時代にさかのぼらないと。彼女たちがブルースを有名にさせたんだから。ブルースのレコーディングを最初にしたのは男性だけど、有名にさせたのは女性よ。彼女たちはかなり苦労したと思う。

私は絶え間なく努力を続けるだけ。「この道がダメなら、別の道がある」とも思っている。壁にブチ当たったら一歩下がって、壁の向こうに何があるかを見るの。今は女性ロッカーの数も多いけれど、彼女たちも同じ壁にぶつかってきたんだと思うわ。

「Women Who Rock」のプレビュー映像
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