「ドラゴン・タトゥーの女」;清純派から超ダークなヒロインへ、根性の激変ぶり。

2005年にスウェーデンで刊行され、世界中で3部作合計6500万部を売り上げたベストセラーの映画化である本作。監督はデビッド・フィンチャー、主役はダニエル・クレイグと、この作品で先日発表された第84回アカデミー賞主演女優賞ノミネートを勝ち取ったルーニー・マーラ。他にも芸達者な俳優達が脇を固める超話題のミステリー作品だけど、猟奇殺人モノがかなり苦手な私は、ちょっとビビっていた。さらにお邪魔した完成披露試写では、日本公開用の検閲指定が未決定ということでアメリカ版を上映。さらに覚悟しなくちゃと、全身硬直状態で臨んだ。
ミカエル・ブルムクヴィスト(ダニエル・クレイグ)は「ミレニアム」誌の敏腕ジャーナリスト。スウェーデンの大物実業家ヴェンネルストレムの横領を暴いた記事で名誉毀損と訴訟を起こされ敗訴し、共同発行者で恋人のエリカ・ベルジュ(ロビン・ライト)に迷惑をかけないよう休暇を取ろうとしていた。ある日、経済界の重鎮ヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)の弁護士から連絡があり、40年前に失踪した姪のハリエットについて調べて欲しいと依頼される。高額な報酬とヴェンネルストレムの秘密を教えるという約束に惹かれ、ヴァンゲル一族が住む島に引っ越し調査を開始。様々な謎が明るみになるが、一人での調査は難しいと、リスベット・サランデル(ルーニー・マーラ)を雇う。過酷な生い立ち故に人を寄せ付けず、過激なルックスで変人とレッテルを貼られていたが、実は並外れた映像記憶力を持った天才ハッカー。調査が進むにつれ、彼らは戦慄の事実を見つけるが・・・。

気になる原作との比較は、恥ずかしながら読んでいないのでできないが、映画としては、期待以上の出来だと思う。複雑な人間関係をフォローするのに若干苦労したり、またミステリーなのにある程度予想できてしまう演出があったり、過激で暴力的なシーンの連続はやっぱり耐えられなかったりしたが、2時間37分、全く飽きることなく釘付け状態。謎解きの面白さもあるが、ミカエルとリスベットの不思議な関係が私の興味を引いた。

そう、一番衝撃的だったのは、ルーニー・マーラの激変と驚愕の熱演。アカデミー賞主演女優賞へのノミネートも超納得だ。「ソーシャル・ネットワーク」のどこに出ていたか全く覚えていなかったが、オーディションでこの役を勝ち取り、並外れた努力でこんなにも変われるのねと感嘆することしきり。本人は清楚な美人だけれど、そんな女優は他にもゴマンといるから、これぐらいしないと先には進めないのだろう。スカヨハやナタリー・ポートマンも熱烈に希望した役らしいが、ルーニーで大正解。華奢な体にピアスとタトゥー、脱色眉毛の下に、繊細さと過激さが入り交った難しいリスベット役。女性として相当キツイ場面も果敢に挑戦し、すっかり自分のものにしていた。おかげで彼女と一緒になって変体男を蹴飛ばしたり、バイクで疾走する気分に。

ダニエル・クレイグは安定した演技で相変わらずセクシー。同世代の女子にはかなり好評だった。デビット・フィンチャー監督は、ヴィジュアリストらしい映像へのこだわりもさることながら、キャラクターの魅せ方が上手くて、真骨頂、発揮といったかんじ。きっと2作目、3作目と映画化されるのだろうが、同じ制作陣・キャストで行って欲しいと願うばかり。この後どうなるのか、心底楽しみ。(★★★★☆)

-アメリカの著名な映画情報・批評まとめサイト「ロッテン・トマト」では:87点

2月10日(金)TOHOシネマズ日劇他全国ロードショー

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