スノウ・パトロールのギャリーが語る、アルバム製作の楽しさと苦しさ

昨年11月に最新アルバム『Fallen Empires』をリリースした5ピースロック・バンド、スノウ・パトロール。ボーカルのギャリー・ライトボディに<AOL Music>がインタビューを試みた。

AOL Music: 『Fallen Empires』は "カリフォルニアをめぐる音楽のロードトリップ" と呼ばれています。その旅の良かったところと、そうでないところを教えてください。また、なぜカリフォルニアでレコーディングしたのかも。
ギャリー・ライトボディ(スノウ・パトロール): カリフォルニアに決めたのは、太陽の光が理由さ。陽の光を浴びながらアルバムを作ったことがなかったからね。それまでは常にアイルランドの街中で、雪や雨が降る中で作っていたんだ。僕たちは太平洋沿いにいることで、もっと解放感のある経験がしたかった。ほとんどの作業はスタジオではなく、マリブの家でやっていたよ。窓からは太平洋を臨むことができたんだ。暗いスタジオに閉じ込められるよりも、素晴らしく広い世界でのびのびとしたかったってわけさ。

もう1つの理由は、自分がすでにサンタモニカに住んでいたということ。ネイサン(・コノリー)のガールフレンドは女優で、2人はサンタモニカにいたんだ。タイアード・ポニー(ギャリーがR.E.M.のピーター・バックらと結成したバンド)のアルバム作りを終えた後、僕は2010年に現地に滞在していたんだ。

アメリカにはすっかり夢中になってしまった。ひたすらビーチにいたね。アイルランドでも浜辺に住んでいたんだけど、そこは実際に泳げる海じゃなかった。(サンタモニカは)出かけるのに素敵な場所さ。アルバムにとってもかなりのインスピレーション源になったね。風通しの良い作品に仕上がった。新しい環境で、今までよりもさらにクリエイティブになれたんだよ。

『Fallen Empires』は、過去の作品とはどう違いますか? また、今回の作品にはどんなアーティストの影響を受けたと思いますか?
いつもと同じだよ。セリーヌ・ディオンには多大な影響を受けているし。このアルバムはほとんどセリーヌのカバーで、タイトルを変えただけだから(笑)。あれ、言うべきじゃなかったかな。訴えられちゃうよね。

今回のアルバムでは、もうちょっと思い切ってやってみようと思ったんだ。それを証明するのが、「Called Out in the Dark」や「I'll Never Let Go」といった曲かな。ちょっと激しいリズムのナンバーだよ。「This Isn't Everything You Are」や「New York」はバラード系かな。

IN HOUSE WITH SNOW PATROL(映像)

スノウ・パトロールの歌詞は、パワフルで心打たれるものだといわれています。人の心を動かすような曲を書くプロセスを教えてください。
僕のベスト・ソングの数々は、たいてい5分くらいで書き上げてしまうんだ。一番簡単にできた曲は、おしなべて満足のいくもので、人々と一番つながる作品さ。そこにはお仕着せの言葉がないからだろうね。無理強いするようなものじゃなくて、たやすくやって来るんだ。そういったときは、流れに乗るべきなのさ。時には何日も、そして何週間も、ただ座って歌詞を書こうとすることもある。暗い気持ちになることもあるよ。今回のアルバムでは、(曲が書けなくて)何度も壁にブチ当たった。だけどそれを乗り越えたとき、最高の歌詞ができるようになったんだ。今回の歌詞は、これまでで最高レベルだと思っているよ。

スランプはどうやって克服したんですか?
ただもう、乗り切るしかない。同じ経験をした人たちから、たくさんの素晴らしいアドバイスをもらったけど、僕はすべての毒を出し切らなくちゃいけないと思っているよ。気分がハイになったときのような(少々クレイジーな)落書きをしまくることで、毒を描き出すんだ。これを描いたノートは絶対誰にも見られたくないけど(笑)。ドツボにはまっているときは、自分がまさにその状態にいるとは感じられないだろうけど、そのときこそ、再生への過程なんだ。昔の作詞方法を投げ捨てるのさ。そうすれることで、前よりもずっといいものが書ける。

(バンドの1stコンピレーション・アルバム)『Up to Now』で、ビヨンセの「Crazy in Love」をカバーしたのには驚きました。彼女の反応はどうでしたか?
ビヨンセはとても気に入ってくれたと聞いたよ。他人の曲をカバーするにはいろいろあるけれど、楽しくやりたいと思っていた。ビヨンセの「Crazy...」は、これまでの名曲の1つに入るだろうね。
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