リンゴ・スター、「ストーンズは50周年ツアーをやるべき」

この1月にニュー・アルバム『Ringo 2012』をリリースしたばかりのリンゴ・スター(日本発売は2月)。ザ・ビートルズの伝説的存在で現在71歳の彼に、<Spinner>が話を聞いた。

Spinner:: 『Ringo 2012』はところどころに、ノスタルジックな部分がありますね。ザ・ビートルズ以前、もしくはグループとして活動中か、解散後など、あなたの人生で最も懐かしい時期がそこに含まれているのでしょうか。
リンゴ・スター: いや。僕自身はノスタルジックだとは思っていない。自分の楽曲のうち2曲を再びカバーしたから、懐かしい感じがするのはわかるけど。

In Liverpool」という曲に、そういった雰囲気がありますが。
ああ、そうだよ。なぜならそれこそが、「Liverpool 8」、「Y Not」、そして今回の作品という、近年の3作品で僕がやっていることだからさ。自叙伝を書く代わりに、僕は毎回アルバムでリバプールの歌をやると約束したんだ。今のところ、何とかうまくいっているよ。

もしリバプールを去らなければ、何になっていたかをよく考えたりしますか? また離れたとしても、バンドには加わらないとか?
そうだね。(ミュージシャンの)レイ・ワイリー・ハバードは僕の友達で、一緒につるんでは、ライトニン・ホプキンス(米テキサス州出身のブルース・ミュージシャン)について話したりしていた。ライトニンは僕のブルース界のヒーローで、少しでも彼の近くにいたかったんだ。だから僕は19歳のとき、工場で働こうと(テキサス州)ヒューストンに移住しようとしたのさ。だから自分の人生が今のようになるなんて、誰がわかっていただろう? 「もしこれが起きていたら、とか、あれが起きていたら」なんて、考えられないはずだよ。自分がいるところでやっていくほかないんだから。

「I Wanna Be Your Man」を披露するリンゴ・スター

あなたは常に、"平和と愛"のメッセージを広めています。これを維持するのが難しくなったことはありますか? 例えばジョン・レノンの命日とか。
いいや。こういったメッセージを伝えるのが大変だったことはない。自分の人生の中の数秒で平和や愛を訴えるのは、難しいことなんかじゃないんだ。苦だと思ったことはない。クレイジーだと思うのは、自分がそういった行動が特定の記事でこき下ろされることだね。「僕は "平和と愛" しか言ってないのに」と思うだろう。だけどそうすることで、厄介だと考える人もいるんだよ。まあ、乗り越えないとね。僕の夢は今も、1分、1日、1か月、1年...いつかはわからないけど、全世界がそれぞれの手を上げて、「平和と愛を!」って進んでくれることなんだ。

ローリング・ストーンズが50周年記念のツアーをやるかどうかあちこちで話題に上っていますが、当のメンバーたちは半ば公に小競り合いをしていますね。これに対してどう思われますか? あなたとポールはそういった機会がないということで。
僕としては、彼らがまた一緒になってワールド・ツアーをやってくれればいいなと思ってる。我々は皆、外に出ていくべきなんだ。演奏できるのなら、やらなくちゃいけないんだよ。僕の新たなスタンスとして、「スティックを持てる限り、僕は演奏できる」ってのがある。それは僕のここ数年(の活動)からもわかるだろう?僕はさらにたくさんのライブで演奏しているし、作品だってもっと出している。やり続けようじゃないか! そういうもんだよ。(ストーンズの面々を含む)僕たちの新たなヒーローはB.B.キングなんだ。「B.B.キングを見てみろよ。86歳の今も演奏しているじゃないか。彼は座って演奏するかもしれないけれど、僕だってすでにそうしてるしね(笑)。僕には、皆が外に出て演奏をするようにとしかアドバイスできない。そして、ストーンズが一緒になることを望んでいるよ。キースとミックが一緒になって、ケンカを止め、プレーするのを願ってるんだ」

バンド仲間というと、あなたとポールは同時期にニュー・アルバムをリリースしていますね。ライバル心はありますか?
ないね。実のところ、僕たちはクリスマスの後に一緒に食事をしたばかりで、彼が新作をリリースするなんて知らなかったんだ。互いに近いうちに発表するとはね。それと、ライバル心はないよ。ポールはポール、リンゴはリンゴなんだから。それが僕らさ。お互いに電話をしては、「僕がリリースするんだから、君はダメだよ!」なんて言わないよ。僕たちはそれぞれ自分の人生を生き、音楽を作り、そしてリリース日を選んでいる。それだけさ。

アルバムのタイトルといえば、Ringo 2012』はアクション映画みたいに思えます。ポールの「Kisses on the Bottom」は何というか、ちょっとセクシーですね。
セクシーだね。ポールのタイトルはファッツ・ウォーラーが言ったことに由来しているんだ。彼のスタンダード・ナンバーにあるんだよ(※)。

       ※1935年の楽曲「I'M GONNA SIT RIGHT DOWN AND WRITE MYSELF A LETTER」に「kisses on the bottom」という部分がある。   
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