元トーキング・ヘッズのクリス・フランツ、再結成を希望

トーキング・ヘッズが最近リリースしたDVD『Chronology』にはニューヨークにあったライブハウスCBGBでの1975年のライブ映像やインタビューなどが収録されている他、3人(デイビッド・バーン、ティナ・ウェイマス、クリス・フランツ)だけだった結成当時から、4人体制(上記3人にジェリー・ハリソンを加えた形)以降になるまでを追うことができる。このDVDの発売にあたり、ドラマーであり、ティナ・ウェイマスの夫であるクリス・フランツにインタビューを行い、トーキング・ヘッズの日々について振り返ってもらった。

トーキング・ヘッズの初期を振り返る気分はどのようなものでしょう?

音楽やアートに30年、40年携わっている人のキャリアは、山あり谷ありだし、全ての思い出が美しいわけじゃない。ただし、トーキング・ヘッズは幸運だったし、全員がそのことを理解している。『Chronology』は、私たちがまだ不安定でガタガタしていた3人組だった時代から長年をかけて進歩していった様子が描かれているから、大人になった私にとっては凄く面白かったよ(笑)。

若い世代にとってトーキング・ヘッズを新しい形で体験できますよね。

素晴らしいと思うし、CBGBで演奏していた当時の僕たちを知らない人たちはかなりの数がいる。80年代、90年代に生まれたキッズはこのDVDを見て、気に入ってくれている。ファンが世代を超えて繋がっているのは嬉しいね。

1975年のようなあまり語られていない時代のあなたたちの映像が残っていたのはラッキーでした。

ニューヨーク大学で映画を学んでいた生徒たちが撮影したんだ。ソニー製のPortapakと呼ばれるビデオカメラでね。世界初のポータブルビデオカメラだった。当時のクラッシュやセックス・ピストルズみたいに常に誰かが私たちを撮影してくれていたわけではないから、撮影してくれたことは嬉しく思っているよ。
私たちも映像を学んでいたから、撮影については考えておくべきだった。でも実際はテープレコーダーさえ持っていなかった。ファーストアルバムを出すまで自分たちの音を聴いたことが無かったんだよ(笑)。

当時のニューヨークのムーブメントについては気付いていましたか? 明らかなムーブメントとして存在していたのでしょうか?

存在していたね。歴史上で大きな位置を占めるものになると思う。私たちは日本やイタリア、フランスやオランダのジャーナリストたちがニューヨークを訪れて、CBGBのバンドについて記事を書いているのを見てムーブメントに気がついた。小さなシーンだったけれど、世界的なインパクトを持っていた。私たちは時と場所に恵まれたんだね。

トーキング・ヘッズ自体がその時と場所を生み出したんじゃないですかね。

ありがとう。当時のCBGBでプレイしていたバンドの殆どは何かが起きているということに気づいていた。あの感じは私がビートルズを聴きながら育った時代に似ている。リヴァプール、ハンブルグのクラブ、スタークラブなんかの記事を私は読んで育った。当時はそういう場所に新鮮で貴重なロックミュージックがあったんだ。そしてCBGBは保育器のようなものだった。今みたいに一晩でいきなりメインストリームにバンドが躍り出るようなことはなかった。数年CBGBでプレイしてからレコーディングというプロセスだったし、他のバンドもそうだった。ミスをする時間があったし、アーティストとして成長する時間もあった。でも今は違う。誰かが言っていたが、今は「適者生存」の世界じゃなく、「即戦力が生存する」世界というわけさ。

トーキング・ヘッズ再結成に関する質問はもう飽き飽きでしょうか?

逆にその質問をされなくなったらがっかりするだろうね。別にその時を待っている訳じゃないけれど、いつの日かデイビッド(バーン)が電話をしてきて、「クリス、ティナ、ジェリーと何かをやろうと思って」と言ってくる日があればなと思っているよ。それは全くやぶさかではない話だ。いいチームワークをお見せできるだろう。
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