【論説】マイケル・ホーガン:スーザン・サランドンとマイケル・ムーア、聴衆と意見交換

リベラル派であることを堂々と宣言している女優スーザン・サランドンと映画監督マイケル・ムーアがトライベッカ映画祭の主催のイベントに出演、集まった聴衆と75分間に渡り自由な形で意見を交換した。

まず両者に対し、誰かから監視されていると感じたことはあるかと質問が出されると、これについてはサランドンが回答。「電話での会話は盗聴されたし、情報公開法を2回適用されたわ」とした上で、ホワイトハウスを訪れる資格をもらえなかったことについても触れた。

一方マイケル・ムーアは、政府によって「偽情報をまん延させる作戦」のターゲットにされていたことを告白。「(自身の監督作品『華氏911』 がジョージ・ブッシュとジョン・ケリーの大統領選の5カ月前に公開されたことを受けて)ブッシュ陣営の人たちからそう言われた。彼らは『華氏911』が公開された時、(対立陣営の)ケリーへの投票に繋がるんじゃないかって思って、異常な状態になったんだ」と説明した。また、「僕がラッシュ・リンボー(右派・タカ派のラジオDJ)なんかのターゲットにされるのは、僕の映画が左の人たちだけではなく、中立の立場の人たちにも多く届いているからだ」と付け加えている。

ムーアは、デイビス・グッゲンハイム監督がアメリカの教育事情を取材したドキュメンタリー映画『Waiting for Superman』を激しく非難しているが、グッゲンハイムと同じテーマに取り組むつもりはないのかという質問に対し、「同じテーマは追わない。僕はあの映画は大嫌いさ。僕が『Waiting for Superman』から押し付けられたメッセージは、教師と組合が問題だということだったが、彼らは別に問題じゃないと僕は思っている」と回答した(尚、ムーアは自分の次作のテーマについての回答は避けている)。

またムーアは、自分の映画への出演を控えるべきではないかという意見については否定的な態度を示したが、自分の編集室には「疑わしい時は、まず自分をカットせよ」と書かれた貼り紙がしてあることを明かした。また近年は自分がインタビューを行うことが難しくなってきているとし、「(インタビューの対象が)僕を怖がらないでくれればいいのにと思うね。僕はナイスガイだし、暴力的でもない。僕は模範的な人物さ」とコメントしている。

次にサランドンがムーアに対し、常に非常に難しい問題に対して突っ込んでインタビューを行う勇気はどこから来るのか質問すると、ムーアは、「怖いよ。いつも怖いなと思うけど、出来るだけそれを見せないようにしている。自分は生きて戻ってくるんだ、怪我をするようなことにはならないぞって自分に言い聞かせているんだ」と答えている。

そしてムーアはこれを受ける形で、2002年の作品、『ボウリング・フォー・コロンバイン』のクライマックスで、全米ライフル協会の会長である俳優チャールストン・ヘストンへの突撃取材時に、ヘストンの敷地内に撮影チームが一時的に隔離されてしまったことを告白。敷地内に彼らを隔離することでヘストン側はフィルムの押収を狙っていたこと、しかし敷地内から敷地外に待機するアシスタントに向けてテープを投げ渡したことで、敷地外へ出ることが出来たと当時を振り返った。またその対応にショックを受けた撮影チームのカメラマンが帰りの道中で涙を流していたことにも触れ、「(何故なら)僕たちはみんなチャールストン・ヘストンが好きだったからね。彼の映画を見て育った世代だから(その対応が悲しかった)」と説明した。

またサランドンがムーアに対し、世界を良くするために何か具体的なアドバイスをと求めると、ムーアは、「まずは"ウォール街を占拠せよ"に参加すること。政治からお金を奪い返そうとしている団体に参加すること」とコメントし、同時に公職選挙に立候補するように聴衆に呼びかけた。

最後に聴衆の1人から9.11の時にワールドトレードセンターで働いていたこと、そしてあの攻撃に対して復讐したいという気持ちがあったため、「華氏911」は観なかったと告白されると、ムーアはその怒りについては理解できるとした上で、「そのような復讐心は、僕たちに良い結果をもたらさなかった」とし、「難しい10年だった」とまとめている。


(原文:Susan Sarandon Says White House Denied Security Clearance, Interviews Michael Moore)
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マイケル・ホーガン
Huffington Post エンターテインメント・エグゼクティブエディター
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