【ブログ】コールドプレイのローディー:ブリット・アワードとノエルのギター・ペダル

元旦は、「1年で最初の二日酔いの日」として言われることがあるが、イギリスの音楽業界では、ブリット・アワードの翌日は、「大量のメールアカウントで<今日は事務所にいません>という自動返信機能が使用される日」だと思う。ただし、ちょっと残念なことに(実際はありがたいけれど)、今日の自分は普通に働けている。昨晩はきっちりと仕事をした。

スタッフの視点から言わせてもらうと、昨日のショーは4分間のテレビ出演としては全力で取り組んだと言える。パイロやレーザー、ストロボなどを大量に使用した。そしてコールドプレイがステージから降りると、機材はすぐに片付けられ、ステージ全体は客席上部へと吊り上げられ、ショーが終るまでそこに固定されていた。退屈な時は1秒もなかった。



僕はステージ裏のかなり後方に位置することになった。演奏しているバンドからの距離という意味では、今までで一番離れていたと思う。リハーサル日には、ウィルの叩いたドラム音が僕のインイヤーモニターに届いて数秒後に、アリーナ側でエコーしたその音が、僕の機材が積んである機材の積み下ろし用の場所まで届いてくるような感じだったので、僕はかなり不安だった。



しかし、クリスがノエル・ギャラガーと一緒にリハーサルを行っていた時は、ステージに向かってその姿を確認することができた。僕は昔オアシスが使っていたリハーサルスタジオで働いていたことがあり、当時のノエルの振る舞いに対して凄く敬意を払っていたけれど、今でもそれに値する人物のように思えた。



演奏が始まると、クリスはノエルたちの分厚い音の中に自分のピアノをどうはめるのかについて悩んでいたようだけれど、少し時間が経つと、演奏がまとまって聴こえるようになった。

ピアノはノエルのギターアンプの隣に設置されていたので、ノエルのギターの音をダイレクトに受ける場所だった。そしてノエルがあるエフェクトペダルを使うと、美しいノイズループが流れ出した。クリスはすぐにその音に飛びついて、「今の音は何?」とノエルに尋ねた。

クリスはiPhoneを取り出してその音を録音して、興奮しながら「最高の音だ」と褒めたたえた。それを聞いたノエルは笑っていた。

ショーの本番当日。控え室に行くと、クリスが僕にリハーサル日に話題になっていたペダルを渡してきた。どうやらノエルがクリスに「プレゼントがあるんだ」と言い、自分の控え室に招いてこのペダルを渡したらしい。



クリスは非常に満足した様子で、「このペダルの音をすぐに録音してもらえるかな? それをリックに渡して欲しい。スタジオに持って帰ってジョニー(バックランド)の機材に繋げて、録音するから」と僕に頼んできた。ペダルはバター1個分位の小さなものだが、僕は落としたら大変なことになると、丁寧に両手で持ち運んだ。
このペダルが実際どのような結果を生み出すことになるのか僕には分からないけれど、曲に上手くはまれば、スタジオに来ることなくノエルがコールドプレイのレコードに参加するということになる。凄いことだ...。

ショー自体はかなり上手くいったと思うし、皆さんの中には実際に見た人もいるだろう。賞もひとつ獲得できた。いつでも賞をもらうことは素晴らしいことだ。

またブラーの演奏も、素晴らしいノイズとはこういうものだということを教えてくれた。アフターパーティーが会場の裏に停泊している船で予定されていて、みんなはそれに乗ってテムズ河を下っていったのだが、僕はそれには参加せず、裏口からこっそりと帰っていった。かなり素晴らしい2日間で、僕にはそれだけで十分だった。


(原文:The BRITs and Noel Gallagher's Guitar Pedal...)
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コールドプレイのロードマネージャー
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