【ブログ】トラヴィス・モリソン「子供の時には今の子供たちと同じで音楽を盗んでいた」

俺は90年代後期から00年代初頭にかけて中々人気があったザ・ディスメンバメント・ プランというバンドにいた。クラッカーほど人気はなかったけど、それなりにやれていた。俺は今39歳で、今も音楽を作っているよ。もうそれでお金を儲けてはいないけれど。良いことも悪いこともあったけど、全てが良い経験だった。で、今日は、俺はインターネットやナップスターが登場する前から音楽を盗んでいたということについて話したい。それらが無い時代にどうやって音楽を盗んでいたかという方法についてこれから少し説明していきたいんだ。だが、どうやら俺の仲間内の連中はあまり盗みを働かなかったみたいだ。大抵の奴らは善人らしい。もしくは記憶喪失なんだろう。俺たちがそういう年齢になっているってことかもしれない。とにかく、告白させてもらうよ。


万引き
これはあまりやらなかった。俺は中産階級の家庭に育ったし、小遣いももらっていた。でも貧しい友達がいたから、彼らと一緒にレコード屋(今はもう閉店している)に行って、奥にあるカセットテープ売り場に向かうことがあった。ここは売り場一面にカセットが積まれていて、PIL、10,000マニアックス、ファット・ボーイズ...ありとあらゆる音楽があって、当然全部聴きたかったけれど、それは不可能という話だった。だから店番の奴が席を離れた隙にプラスティックのラッピングをはがして、そこについている盗難防止用の磁気テープを取って、テープをジャケットのポケットに入れた。そしてそのまま見えない場所まで来たら、すぐに自分のウォークマンに入れたのさ。

ダビング
俺と友人のエドは聴きたいレコードが一緒だったから、レコード屋にいってアナログ盤と空テープを買って、家に帰ってダビングしまくった。ダビングが終わるとアナログ盤は2人の共有物ということにした。エドはモンキーズのベスト盤やスージー・アンド・ザ・バンシーズの『ティンダーボックス』なんかを買って、俺はマッドネスの『ワン・ステップ・ビヨンド』や、INXSの『リッスン・ライク・シーブス』なんかを買った。それら全てをダビングしながら、色々音楽について話をした。この作業を通じて音楽の聴き方や評価を学んだと思う(ちなみに上記の4枚のアルバムはどれも最高だ。色あせることがない。興味を持った若者はインターネットからくすねればいいと思う)。

ラジオをテープに録音
これは楽しかったな。狂信的とも言える感じでラジオDJのかける曲を追いかけ回ったし、指がちぎれるまでリクエストの電話をかけまくった。「4時からサッカーの練習があるから、あと20分の間にドリーム・アカデミーの"ライフ・イン・ザ・ノーザンタウン"をお願いだからかけてください」なんてね。それであとはラジカセの録音ボタンに指をかけて待つんだ。公園で旅行者が落とすパン屑を狙うリスのように集中していた。「曲間はあまりクロスフェードさせないでくれ」、「イントロ中に話さないでくれ」、「最後の部分でCMを入れないでくれ」なんて思いながらね。

ミックステープ
説明の必要がないね。もしミックステープを作るテクニックがなければ、33歳まで彼女はできなかっただろうな。

カレッジラジオ
俺の通った大学には素晴らしいFM局があった。レコードコレクションも素晴らしかったし、プロモ用のCDも沢山もらっていた。レコードコレクションは本当に素晴らしくて、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリンなんかが揃っていた。必死で自分用にテープに録音していたよ。ジーザス・リザードやチャールズ・ミンガスなんかもあった。

これらの全てはナップスターが登場する前のことだ。そして音楽は人々にとって凄く大事なものだ。特に若者にとってはかなり重要だ。俺にとってはどうかって? 水や空気程大事じゃないが、食事よりは大事だね。俺はとにかく音楽に向かって突っ走ったよ。沢山音楽を買ったし、可能であればただで音楽を手に入れていた。手段を問わず、とにかく手に入れたかったんだ。大学かどこかでザ・ディスメンバメント・ プランの音楽のコピーを手に入れたとしても俺は全然気にしないよ。勿論お金をもらいたいとは思うけど、俺がガキの頃にコピーしたり、盗んだり、買ったりして音楽を聴いた時の10分の1でもいいから、きちんと意識して聴いてくれればと思っている。俺の仲間からの善人的なアドバイスも聞いた方がいいかもしれないが、その中の何人かはどうせ俺と同じようなことを少しはやってきたはずだから、多少割り引いて聞いた方がいいだろうな。実は俺と全く同じだったかも知れないしね。


(原文:Hey Dude From Cracker, I'm Sorry, I Stole Music Like These Damned Kids When I Was A Kid)
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トラヴィス・モリソン
The Huffington Postのコマーシャル・ディレクター

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