ロック界の伝説的写真家アントン・コービンのドキュメンタリーが公開
ロック・ミュージシャンの姿を写真に納め続けてきた伝説的写真家アントン・コービンを追ったドキュメンタリー作品『Anton Corbijn Inside Out』が海外で現在公開されている。女流監督Klaartje Quirijnsによるものだ。

同作品の中には、U2のボノ、メタリカ、ルー・リードなどロックファンならば目がまわってしまうような豪華な面々が続々登場する。しかし監督は「ロックファンは色んなロックスターがスペクタクルのようにしてどんどん登場することに目が奪われるだろうけど、私はただアントンにフォーカスをあてたかっただけ」と語る。実際撮影中、コービンをカメラに収めるためボノに"少し退く"ように指示したこともあったようだ。
既に "超" がつくほど有名写真家であったコービンにさらに注目が集まったのは、ジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスの生涯を描いた映画作品『コントロール』で脚本と監督を初めて務めてからのこと。以来、彼は映画界にも認知され、ジョージ・クルーニー出演の作品『ラスト・ターゲット』でも監督を務め、現在はフィリップ・シーモア・ホフマン、ウィレム・デフォー主演『A Most Wanted Man』(スパイ小説家ジョン・ル・カレ原作)を撮影中だ。
家族から「働き過ぎ」と心配される程のワーカホリックで、その集中力や美意識の高さからどうしても孤高のイメージがつきまとい、実際この作品でのコービンの姿は時折孤独に見える。しかし彼のガールフレンドいわく、映像の中のコービンは「全然別人のよう」なのだとか。しかし一方、家族はその孤独なシルエットに「そうそう、これがアントンの姿だよ」と頷いたのだという。イメージだけではわからない、多面的な人物なのかもしれない。
写真に映画と常に被写体をレンズの向こうに見据えてきたコービンだが、自分が被写体になって誰かに撮影されるのはどんな気分だったのだろうか? Quirijnsに細かい要求などしたのだろうか?
「いいえ、彼は全て私に任せてくれました。撮影してみて本当に勉強になったわ。私はとても分析的でアントンは直感型。私たち2人の組み合わせは、ちょうどその真ん中の所にうまく着地したんだと思う」と振り返るQuirijns監督。カメラの向こうを見据えてきたその鋭いまなざしに肉薄する貴重な作品である。
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既に "超" がつくほど有名写真家であったコービンにさらに注目が集まったのは、ジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスの生涯を描いた映画作品『コントロール』で脚本と監督を初めて務めてからのこと。以来、彼は映画界にも認知され、ジョージ・クルーニー出演の作品『ラスト・ターゲット』でも監督を務め、現在はフィリップ・シーモア・ホフマン、ウィレム・デフォー主演『A Most Wanted Man』(スパイ小説家ジョン・ル・カレ原作)を撮影中だ。
家族から「働き過ぎ」と心配される程のワーカホリックで、その集中力や美意識の高さからどうしても孤高のイメージがつきまとい、実際この作品でのコービンの姿は時折孤独に見える。しかし彼のガールフレンドいわく、映像の中のコービンは「全然別人のよう」なのだとか。しかし一方、家族はその孤独なシルエットに「そうそう、これがアントンの姿だよ」と頷いたのだという。イメージだけではわからない、多面的な人物なのかもしれない。
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「いいえ、彼は全て私に任せてくれました。撮影してみて本当に勉強になったわ。私はとても分析的でアントンは直感型。私たち2人の組み合わせは、ちょうどその真ん中の所にうまく着地したんだと思う」と振り返るQuirijns監督。カメラの向こうを見据えてきたその鋭いまなざしに肉薄する貴重な作品である。
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