音を失ったアーティストが求める「音の肉体性」とは?映像で追う実験の様子

写真家であり、映像作家でもあるトッド・セルビーのショートフィルムに登場するアーティスト、クリスティーン・サン・キムは、「私は常に音の所有権について考えていました。今こうして音を自分の所有物として表現しているのです」と語る。



生まれつき耳が聞こえないキムのアートワークは、彼女にとっての「音」とは何かを探りながら、「音の肉体性」を見つけていくものだ。今回紹介する映像は、キムが住むチャイナタウンにあるアパートから始まり、キムがメイクをした後にスタジオへ向かい、そこで様々な実験をしながら音を物質的に表現していく姿を捉えており、彼女が「振動のカリグラフィー」を楽しんでいる様子が確認できる。彼女はサブウーファーの上に置いたカンバスに絵の具をつけた釘を並べ、振動による釘の軌跡をカンバスに残していったり、近所の騒音やヘリウムの風船の破裂音、また自分の声を録音してそこからフィードバックを生み出したりしていく。

バード大学、そしてスクール・オブ・ビジュアルアーツの卒業生であるキムの作品は世界中で知られているが、彼女の作品は「所有権」や音の限界に疑問を投げかけており、ありふれた普通の「物」が絵画の限界を押し広げていくことを示している。また、キムの作品は、我々の「音」の扱い方や捉え方をも再考するきっかけを与えてくれている。キムは<NOWNESS>のインタビュー内で、「私達の発話の発達、そして音の扱い方については社会的通念が存在しています。これらは私達の奥深い場所に存在しているため、私達の個性は音抜きには存在しないと言えるのです」と語っている。

クリスティーン・スン・キムを描いたトッド・セルビーのショートフィルム


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