人がいない場所に謎の光?! アメリカのど真ん中に現れた、オーロラなみに明るい油田の炎

アメリカ中西部の最北部、グレートプレーンズ(大平原)に奇妙なことが起こっています。NASAが夜間に撮影した画像を見ると、ご想像通り東にある都市部は輝き、五大湖や海は暗く写っていますが、人口がまばらなはずの大陸の真ん中に、謎めいた光のかたまりが見えるのです。これは一体...?



左(西)の方に目を移していくと、カナダとの国境に近い部分に大きな都市にも見える部分があります。光っているのは、ノースダコタ州の一部。しかし同州の総人口は、北海道の2倍以上面積があるところにおよそ70万人、全米で48位です。大きな都市はなく、ほとんどが草原のはずです。

こちらは同じ地図をマーキングしたものですが、市街部にも見える光がある箇所は、多くの人が生活している場所ではありません。そして6年前には存在しませんでした。



宇宙からも見えるこの光は、過去5年間で開発された広大な油田とガス田です。地層への水圧破砕(フラッキング)技術により生まれた石油ブームが、夜間にこうして光となり明らかになります。光の群れは、何百もの掘削リグと、燃える天然ガスの炎。この地域に流れ込んだ石油会社は大小150社以上にのぼり、多い時は1日に8本もの油井が掘削されることもあるとか。

この地域はバッケン層(Bakken formation)と呼ばれ、現在66万バレル/日の生産を行なっています。2年前と比較すると2倍の生産量です。短期間のうちにノースダコタ州は、全米でテキサスに続き2番目の産油量となり、去年1月にはOPEC加盟国のエクアドルの産油量を抜いたと報じられました。それがこの気掛かりな光に象徴されています。



6年前、この地域はほとんど無人でした。数人の農場主が住み、小麦やアルファルファ、またはハト麦、コーンなどを栽培していた場所です。米国地質調査所(U.S. Geological Survey)のデータにより地下に原油があることは知られていましたが、2マイル(約3.2km)もの深さだったので、今世紀になって技術が発達するまで、掘削コストが現実的ではありませんでした。

ご存知の方も多いかと思いますが、水圧破砕法では、化学物質を含む液体を高圧注入することにより頁岩(けつがん、シェール)層の岩石を破砕し、石油を採掘します。この技術が大きな論争の的になっている原因の1つは、この光の正体にあります。

石油が表面に出てきて採取される際、天然ガスも一緒に出てくるのですが、ノースダコタ州の鉱物資源局によれば、州で採取される天然ガスのうち29%は燃やして処分されるそうです。ガスは石油ほど利益性がないので輸送する価値もなく、それをするパイプやシステムはないという訳です。業者は、「不要」なガスを燃やすのにたっぷり1年間与えられるとか(延長制度もあり)。



燃え続けるガス田が増えに増え、ノースダコタの水圧破砕ガス田の群れは宇宙からも見えるようになりました。地域の住民によれば、日の出の前にも昼間かと思うほどの明るさだそうです。住民は(一時サウスダコタが舞台だった)『大草原の小さな家』(Little House on the Prairie)にかけて、ノースダコタを「大草原のクウェート」(Kuwait on the Prairie)と呼ぶようになりました。NASAが先日発表した下の『夜の地球』ビデオの中でも、「大草原のクウェート」は際立って明るく見えます。

【このビデオは、NASAの人工衛星「Suomi NPP」に搭載された新型赤外線センサーで可能になった映像です。可視赤外撮像機放射計(VIIRS)は22の波長を使い、自然の光と人間が作り出した光を、空前の解像度と鮮明度で感知できます。従来と比較して、空間的解像度が6倍、光のレベルの解像度が250倍も優れており、海に浮かぶ船の光までとらえています。】

<中東の油田の光は1:08くらいから、アメリカの光は1:51付近から出てきます>


突然の石油ブームにより、ノースダコタ州の失業率は全米一低いものになり、バッケン層は過去4年間で4万1千もの就職を生みました。7年前は60%だったアメリカの石油輸入率が現在の42%まで下がったのは、バッケン層の貢献が大いにあります。しかしその一方で、環境NGOのNational Resources Defense Council(自然資源防衛委員会)のピーター・レーナー(Peter Lehner)氏や『NYタイムズ』紙によれば、バッケン層の石油採掘業者が毎日燃やす天然ガスは1億立方フィート(約283万m3)。 50万戸の家庭に暖房をもたらせる量だといいます。



20世紀の初頭にはテキサス州で、昔からの牛飼いが石油業者と戦った歴史がありますが、今回はコーン農場主VS石油会社の生存競争というところでしょうか。それをあおるようにガスの炎は燃え続け、日(夜)によっては、オーロラと張り合うほどの光を放つそうです。良くも悪くも、人間の活動を率直に映し出す宇宙から見た光の映像。国際宇宙ステーションの皆さんはこんな地球を遠くから見て、何を考えるのでしょうか。

記事元:NPR Krulwich Wonders BlogYouTube(NASAexplorer)The New York Times

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人がいない場所に謎の光?! アメリカのど真ん中に現れた、オーロラなみに明るい油田の炎

CAPE CANAVERAL, FL - OCTOBER 07:  A SpaceX Falcon 9 rocket attached to the cargo-only capsule called Dragon lifts off from the launch pad on October 7, 2012 in Cape Canaveral, Florida. The rocket is bringing cargo to the International Space Station that consists of clothing, equipment and science experiments.

CAPE CANAVERAL, FL - OCTOBER 07:  A SpaceX Falcon 9 rocket attached to the cargo-only capsule called Dragon lifts off from the launch pad on October 7, 2012 in Cape Canaveral, Florida. The rocket is bringing cargo to the International Space Station that consists of clothing, equipment and science experiments.

CAPE CANAVERAL, FL - OCTOBER 07:  A SpaceX Falcon 9 rocket attached to the cargo-only capsule called Dragon lifts off from the launch pad on October 7, 2012 in Cape Canaveral, Florida. The rocket is bringing cargo to the International Space Station that consists of clothing, equipment and science experiments.

CAPE CANAVERAL, FL - OCTOBER 07:  A SpaceX Falcon 9 rocket attached to the cargo-only capsule called Dragon lifts off from the launch pad on October 7, 2012 in Cape Canaveral, Florida. The rocket is bringing cargo to the International Space Station that consists of clothing, equipment and science experiments.

CAPE CANAVERAL, FL - OCTOBER 07:  A 30 second camera exposure shows SpaceX Falcon 9 rocket attached to the cargo-only capsule called Dragon as it lifts off from the launch pad on October 7, 2012 in Cape Canaveral, Florida. The rocket is bringing cargo to the International Space Station that consists of clothing, equipment and science experiments.

CAPE CANAVERAL, FL - OCTOBER 07:  SpaceX Falcon 9 rocket attached to the cargo-only capsule called Dragon lifts off from the launch pad on October 7, 2012 in Cape Canaveral, Florida. The rocket is bringing cargo to the International Space Station that consists of clothing, equipment and science experiments.

CAPE CANAVERAL, FL - OCTOBER 07:  A SpaceX Falcon 9 rocket attached to the cargo-only capsule called Dragon lifts off from the launch pad on October 7, 2012 in Cape Canaveral, Florida. The rocket is bringing cargo to the International Space Station that consists of clothing, equipment and science experiments.

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