高良健吾が天童荒太のベストセラー『悼む人』に懸けた思い 「運命的なものを感じた」


ベストセラー作家・天童荒太の直木賞受賞作を、堤 幸彦監督が映画化した『悼む人』。主演を、日本映画界を象徴する俳優・高良健吾が務めた。彼が演じる"悼む人"こと坂築静人は、黙々と死者を訪ね歩いて、その愛情の記憶をひもといてゆく。まるで巡礼のように"悼む"旅を続ける静人を演じる上で、「演じるより居方にこだわった」と高良は言う――


静人は、亡くなった人が生前誰に愛され、誰を愛したか、そういうことを覚えておく行為を繰り返す"悼む人"だ。彼と出会い、ふれあった人々が、人の生死について深く思い至る姿を描いていく。この静人の行動は極端かもしれないが、その本質は共感するものだと高良は言う。「静人がやっているから特別に見えるだけで、"悼む"行為は誰もがしたことがあると思います。ただ、彼は命を差別しないというか、命は命ということで接していくので、それはすごいことって思いました」。人の出来る最善を、彼は淡々と遂行するのだ。

先だって行われた報告会見では、「運命的なものを感じる」と高良は言っていた。最近のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」高杉晋作まで、これまで死と向き合う役柄が少なくなかったため、"悼む人"静人として今作のテーマを体現する十分な経験は経ていた。「いろいろな死があって――殺された奴、自分から死ぬ奴、寿命も事故も――役柄のおかげで成長することがたくさんあった。役柄のせいで、と思うこともあって。でも、同じ死はひとつもなかったから、考えなければいけないことが多かったと思います」。


堤監督とディスカッションを重ね、到達した答えは、「演じるより居方にこだわった」と言う高良。誰もが共感するはずの"悼む"行為に、余計な装飾を施すことは避けたかった。「この役柄を皆で共有したりわかってもらおうとすると、外に気持ちがいってしまうような気がして。過剰に客観性を持って芝居をすると間違ってしまう気がしたので、演じることよりも、そこへの居方にこだわりました。自分がやるべき静人を演じようと思いました」。

その努力が奏功して、静人の姿を観ることで、生と死、そして愛という人間の根源的な営みに観る者はストーレートに向き合える。人生で一度は考えたい真摯なテーマの作品だ。

映画『悼む人』は、2015年2月14日(土)より、ロードショー!

■参照リンク
『悼む人』公式サイト
http://www.itamu.jp/
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