秋ドラ『オトナ女子』より『いつかティファニーで朝食を』の方がリアルで共感できるワケ


数々のヒットドラマを生んできた篠原涼子が主演する『オトナ女子』(フジテレビ系)がふるわない。視聴率は初回の9.9%が最高で、まさかのひとケタ続き。

篠原が演じる中原亜紀は40歳の独身OL。番組紹介では「いくつになっても"女子"でありたい」と謳われている。往年の売れっ子脚本家(江口洋介)が、亜紀と元カレのやり取りを聞いて「昔そんな台詞をよく書いたな」と笑うシーンがあったが、まさに昔よく観たトレンディドラマのよう。「いくつになっても」と言われても、トレンディ的恋愛を40歳になってもやるのは痛く見えるが......。実際のオトナ女子にも「オトナはもっと賢い」といった声があり、あまり共感は得られていないようだ。


一方、アラサー女性の共感度が高そうなドラマが、土曜深夜にひっそり放送されている。連ドラ初主演のトリンドル玲奈ら4人の群像劇『いつかティファニーで朝食を』(日本テレビ系)。7年同棲した彼氏と、朝食も一緒に取れないすれ違いが続き(しかも「早く帰ってきたらセックスさせてくれるの?」などと言う男で)、別れたばかりのアパレル会社OL・麻里子(トリンドル)、不倫中のバーの雇われ店長・典子(森カンナ)、失恋のトラウマで男嫌いのヨガインストラクター・里沙(新木優子)、4歳の息子がいる専業主婦・栞(徳永えり)という高校時代からの友人たちの物語だ。

4人それぞれ葛藤を抱えている。家事に無理解な夫への不満が爆発した栞が衝動的に家出して麻里子の家に泊まり、麻里子のほうは「1人は寂しい。私は結婚できるかな?」と逆の悩みを口にしたり。

不倫相手に別れを切り出しながらズルズル関係を持った典子は「たまには朝ごはんをゆっくり食べよう」と訴えても「また今度」とあしらわれ、「ヤッたら、さっさと帰りたいんでしょう!」と憤る。そして1人、早朝の立ち食いうどん店で食べながら涙を流し、隣りにいたサラリーマンがそっとポケットティッシュを置いて出て行く......というシーンもグッときた。

だが毎回、最後には実在のレストランやカフェで朝食を食べる。これが本当においしそう。麻里子が食べながら「ヤバイくらい幸せ」という台詞には実感があった。ネット上では「会話がリアル」「ホッと癒される」といった声が上がっている。

とはいえ、世間でこのドラマはあまり話題になっていない。20・30代の女性がターゲットなら、トリンドルの主演はマイナスなのか。彼女自身が悪いわけでなく、「思ったより演技がうまい」との声も多いが、典型的なかわいいタイプでファンは男性が大半。女性視聴者の食指は動きにくいのか。同世代なら、たとえば高畑充希あたりがやっていたら......と思ったりもする。

そのうえ、放送は午前1時25分からとなっているが、ラグビーやサッカーが入って3時過ぎになることも多い。しかし、『いつかティファニーで朝食を』は土曜の深夜に観てこそ染みるドラマだ。

冷静に観たら筋が粗いし、陳腐かもしれない。最後のレストラン紹介が情報番組くさくもある。けど、週末の現実逃避的な飲み会から「何やってるんだろうな、自分......」などと思いながら帰宅して、このドラマを観たりすると、麻里子と典子が「仕事をやめたい」「不倫をやめたい」「でも、やめたくない」などと言い合う気持ちが妙にわかる。同世代の女性なら、なおさらのはず。

そして「答えを出すのがゴールじゃない。ずっと戦っていかなきゃいけない」といった台詞に共感し、朝の光を浴びながらの食事の光景に安らいで眠りにつける......といった感じだ。

今は各局の見逃し配信や民放5局で立ち上げた公式ポータル「TVer」で、ドラマもネットで好きな時間に観られる。だが、テレビ番組はもともと、放送時間帯にあつらえて制作されたもの。『いつかティファニーで朝食を』は土曜深夜の気分にそっと寄り添ってくれる。

文・斉藤貴志

番組HPが正式スタート! #いつかティファニーで朝食を #girlsbreakfast #ntv

ドラマ「いつかティファニーで朝食を」さん(@girlsbreakfast)が投稿した写真 -


https://youtu.be/Fuq_lhR4OOI



■参照リンク
『いつかティファニーで朝食を』(毎週土曜25時25分から日本テレビ系列にて放送)
ntv.co.jp/breakfast
『いつかティファニーで朝食を』 Instagram
https://www.instagram.com/girlsbreakfast/

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