『インサイド・ヘッド』を創ったピクサーの日本人スタッフが語る、「大ヒット作の制作現場」


『トイ・ストーリー』(95)以来、斬新な発想で世界中を魅了し続けているピクサー・スタジオの長編アニメーション20周年記念作『インサイド・ヘッド』が、現在MovieNEXで好評発売中(デジタル配信中)だ。未体験のストーリーはもちろん、初めて見るようなハイクオリティー映像もピクサー作品の毎回のお楽しみだが、その秘密についてピクサーのライティング・テクニカル・ディレクター(映画の中の照明や質感を出すソフトウェアの開発)を担当した、日本人スタッフのリュウスケ・ヴィルマンさんを直撃! あの日本中が感動した大ヒット作の制作現場の様子について、貴重な情報の数々を聞いちゃいました!



――ピクサーではキャラクターの質感を出すなどのソフトの開発がご担当だそうですね?

ピクサーでは社内で使っているソフトは多いほうで、僕が担当しているソフトは、最後の工程にあたるシェーディングとライティングです。物の質感とライトをプログラミングしています。今回は、感情たちの特別な質感を、個別にカスタムして作りました。特にヨロコビは特殊なほうで、寄って見ると粒子でできているので、ここまでが皮膚、みたいな境界線がない。近くで見ると粒子だが、離れてみると普通に見える。そこが苦労しましたね。



――作品を作るにあたってはジョン・ラセターのリクエストなど最初にあるわけですか?

ジョンというより、今回で言うと監督のピート・ドクターです。ピートが決めたモノを僕たちの元に持ってきて、それをまず3Dで再現します。それと元の絵と比較して粒子のサイズを確認したり、スピードを調整したりします。最初に大まかな指示を出してくれますね。

――ピクサーの場合指示を出すだけでなく、スタッフの意見も広く聞くスタイルですよね。

そうですね。それがピクサーのやり方で、一人が決めるのではなくて、皆で言い合って決めていくスタイルです。観てくださる、いろいろな人にいいと思ってほしいので、監督だけがOKと言っていても、スタッフの中でよくないという評価が出ている場合、改善します。スタッフの年齢層が広く、子どもがいる人もいますので、スタッフがいいと思わないものを外に出してもいいということにはならないだろうということが考え方としてありますね。


――無理難題な課題が目の前に立ちはだかると、心が折れそうになることはないですか?

(笑)。でも、そこを解決していくと、すごい画が返ってくるものなので、最終的にはトライしてよかったと思っています。皆そのことを十分にわかっている気もしますので、そういう経験を何度もしました。デジタルな世界ですが、皆職人なので、作ってやろうという気持ちが強いです。全員、最終的にはいい画を作りたい、と思っている人の集まりなんです。ソフトウェア的には疑問符でも、いい画が作れるのであれば、優先しちゃいますしね。

――今日はありがとうございました。作品を楽しみにしているファンへ一言お願いします。

僕が関わっている仕事がライティングと質感を出すシェーディングなので、現実世界と頭の中の世界のライティングなどの違いを意識しながら、作品を観ていただけるとうれしいですね。マインドの世界は真っ赤とか真っ青とか強い色が多いですが、現実世界では色を抑えていて、サンフランシスコということで色を抑えたグレーや、霧をかけたりしています。その対比や違いをはじめ、ライリーにとっては頭の中の世界こそがメインになっていることを演出でみせようとしているので、じっくりとすみずみまで鑑賞してみてください。


『インサイド・ヘッド MovieNEX』は好評デジタル配信中!

https://youtu.be/GOB8LXrwQ2k


(C) 2015 Disney/Pixar

■参照リンク
『インサイド・ヘッド』公式サイト
disney.jp/head

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