アカデミー賞ノミネートの衝撃の感動作!映画『ルーム』レニー・アブラハムソン監督に直撃


エマ・ドナヒューによる同名小説「ROOM」を原作に、小さな部屋に7年監禁された親子、その生きざまを描く衝撃の感動作、映画『ルーム』が公開に。今年の第88回アカデミー賞では作品賞をはじめ、監督賞、主演女優賞(ブリー・ラーソン)、脚色賞(エマ・ドナヒュー)と4部門にノミネート! 7年間ものあいだ小さな部屋に閉じ込められていた母は、やがて生まれた息子のため、すべてを賭けて脱出を図るストーリー。"外の世界"には想像以上に広く、困難も待ち受けているが、「これは普遍的な物語でもある」と監督は語る。メガホンを取った、レニー・アブラハムソンにインタビューした。


――今回、原作「ROOM」のどのような点に惹かれて映画化をしたいと思いましたか?
 
エマの小説では極端な形で書かれていましたが、子育てという観点で、わたしも幼い子どもの父親でもあるため、とても感情移入できる部分がありました。また、彼女がこのダークな状況を、気持ちが上がるような物語に作りあげた、ということを非常に素晴らしく思いました。そしてひとりの監督として、幼い子役と仕事をするということ、そして子どもの視点から映画を綴るということが、すごく面白いチャレンジと感じたのです。

――前作『FRANK -フランク-』でも、世間と乖離した人物が主人公でしたが、本作でもある意味"極端"な設定を使い、どのようなドラマを描くことに注力をしましたか?
 
普段は目にはしないような極端な状況ではあるものの、普遍的な話でもあります。本作は実は子育てという、子どもと親の絆が掘り下げられている物語なのです。とても純粋な親子の絆の話であるので、それが一体どういうものなのかを、まるで顕微鏡で見るかのような物語になっている、とエマも言っていました。


――映画の前半と後半のバランスを、どのように描こうとしましたか?
 
この作品を作るなかでも最大の挑戦であって、一番難しかった点が、部屋の内と外とのバランスをとることでした。逃げ果せたことで観客の興味が失われてしまったならば、後半はおまけみたいなものになってしまうと感じていました。後半についてきてもらうために必要なものを考えたとき、それはやはり前半部分で、いかに観客がこの親子とつながりを持てるかということでした。そうして後半に入ったとき、少し不穏な、すべてが解決されたわけではないのでは? というニュアンスを出せれば、この先はいったいどうなってしまうだろうと最後まで観客がついてきてくれるのです。前半で非常に深いつながりを持った二人のキャラクターを、最後までうまく見守ってくれると考えました。
 
そのため、前半から後半へと移る際には、作曲家、編集と、僕自身もその独特なテンションというものを作りあげなければいけませんでした。それは二人の再会のカタルシスの後からすでに、少しだけ感じられるようになっています。この部分は編集で一番時間をかけたかもしれません。特に後半に入ってからの最初のフェーズは、前半で作り上げたストーリーの要素を、改めて積み立てなおしてから後半へとつなげていかなければいけませんでした。


――ニックという存在については、何に注意しましたか?
 
ニックの犯行動機を理解できるとは言い難いけれども、今回意識したことは彼をモンスターとして描かないということでした。人間としての失敗を重ねてきた弱い男で、自分には女性と親密になる権利があると信じ込み、誘拐に手を染めてしまう。しかし二人の力関係の中でジョイの方が彼に対して、いくばくかの力を持っていたりもする。それは彼の中では"契約"となっているのですが、ジョイの方がニックに対して優位であるように描かなければ、信憑性を持たすことはなかったと思う。それができて誇らしいです。

――この物語は"父と息子""父と娘"といった設定でも成立すると思いますか?
 

この作品のインタビューを半年間うけてきたけど、この質問は初めてだよ!

正直わからないですね。ジョイが特別な存在だったから、この状況を生き延びることができたのだから。女性であればみんな彼女のようにいくとは限らないし、男性の場合はそもそも部屋に監禁されて子どもを産むことはないので状況が変わってくる。けれども、子どものために自分を犠牲にするという気持ちであったり、親と子の関係でいえば、父親と子どもの関係もこの物語と等しく、すごくパワフルなものだと思っています。少なくとも、わたしはひとりの父親としてそのように思います。実際に子どもとともに監禁されて生き延びていた女性の例もありますが、男性の場合であっても、やはりジョイのよう特別な資質が必要なのではないでしょうか。


映画『ルーム』は、2016年4月8日(金)より、TOHOシネマズ 新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー!

https://youtu.be/3YnHr0oFkVo


©ElementPictures/RoomProductionsInc/ChannelFourTelevisionCorporation2015

■参照リンク
映画『ルーム』公式サイト
gaga.ne.jp/room/

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