アイドルはなぜ武道館を目指すのか? アップアップガールズ(仮)の日本武道館公演、成功を占う5つのポイントとは


アイドルグループ、アップアップガールズ(仮)が今年11月8日に日本武道館での単独公演を行うことが発表された。発表の舞台は4月24日に行われた新宿BLAZEでのライブハウスツアー"The Seven LIVE Alien"のステージ上でのこと。サプライズでの発表となったわけだが、メンバーならずともファンもまた驚いたのではないだろうか。2年後、3年後の話ではない。今年の11月8日だ。時間はさほど多くはない。果たしてこのアップアップガールズ(仮)の日本武道館公演、成功となるのだろうか?


先月アップアップガールズ(仮)がリリースしたシングル『パーリーピーポーエイリアン/セブン☆ピース』はグループとしての売り上げを更新し、確かに勢いに乗っていると言えるだろう。だが日本武道館という山は険しい。これまでも多くのアイドルグループが日本武道館を夢にあげ、実際に公演を行ったグループも多いが、そこで急激に失速するというケースも少なくはない。日本武道館はその公演自体の成功が問われるというのもさることながら、グループ自体のその後の活動や存続にも影響を与える、ある種の劇薬と言ってもいいだろう。

とは言えアップアップガールズ(仮)の日本武道館公演は今年の11月8日に決定し、すでに発表されている。そうであるならば、成功しなくてはならない。そこで本記事では、アップアップガールズ(仮)の最近の動向を見つめながら、日本武道館公演の成功を占う5つのポイントを検証しよう。

(1)「パリピ化」がどこまで侵略を続けられるか

アップアップガールズ(仮)『パーリーピーポーエイリアン』(UP UP GIRLS kakko KARI[Party People Alien ]) (MV)


前作から1年半ぶりに満を持してリリースした新曲『パーリーピーポーエイリアン』は、楽曲のパリピ感とミュージックビデオの奇抜さにより、中毒性の溢れたものになっている。そこで現在アップアップガールズ(仮)が行っているのが「パリピ化」という活動だ。ミュージックビデオで出演者がかけているレンズ部分に「(仮)」と書かれたサングラスを著名人にかけてもらうことにより、日々侵略行為をおこなっている。

ツイッター上での活動報告によれば、これまでにアイドル業界の歴々はもちろん、松崎しげるやデーモン閣下など他ジャンルのセレブリティたちへの侵略も成功。演歌界や悪魔界への侵略を経て、今後もジャンルを超えた侵略を企んでいるようだ。まさにSNS時代にマッチしたこの活動がどこまで裾野を広げるのか。アイドル業界のみならず、SNSを活用したプロモーション施策の一例としても興味深く展開を見守りたい。


(2)メンバー間の統率が取れていないのは是か非か

あらゆるプロジェクトチームにおいて言えることだが、何か大きな目標を達成する際にチームメンバーの統率が取れているというのは必須条件だとされている。ゴールへの意識が共有されていなければチーム自体が成立しないというのは常識だ。だがアップアップガールズ(仮)はその常識を覆す。たとえば4月30日に渋谷WWWで行われた仙石みなみ生誕・昼公演にて仙石は、武道館公演ではメンバー全員が戦国武将になりたいと発言するのだが、メンバー全員が初耳。一切統率が取れていないことが明らかになった。

だがこれはアップアップガールズ(仮)にとって決してマイナスではなく、むしろプラスにはたらいている。一般社会とは違い個々が勝手にそれぞれの最大限のパフォーマンスを行うことが許されるエンタテインメントのステージの上であれば、自由さは弱点ではなく武器になり得る。むしろ常人が思いつかないことだからこそ人はそこに足を運ぶのだから、この統率の取れていなさは魅力でしかない。ファンでさえメンバーの発言に対して「何を言っているんだ?」とツッコミをいれられるような幸福な関係性が、現代のエンタテインメントには求められているのではないだろうか。

(3)佐保明梨はいかにしてツイッターの常識を破壊するか

11月8日のアップアップガールズ(仮)の日本武道館公演が発表されたその日の夜、メンバーの佐保明梨のツイッターアカウントが開設。アイドルが自身の活動の報告や告知の場としてツイッターを使用するというのは珍しい話ではないが、そのツイートの「!」の多さが尋常ではないと話題になっている。最初のツイートからして「佐保明梨です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!本物です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と、ツイート欄を埋め尽くす「!」の文字。とにもかくにも伝えたいという気持ちが先走っている。


その後のツイートでも「!」の多さに関しては他の追随を許さない。140字という文字制限がある以上、的確に情報を集約して発信するというのがツイッターでの常識だが、佐保明梨はそうではなく、伝えたいという思いそのものを発信する。その手法は現代の潮流に沿ったものではないが、非常にプリミティブだからこそ読む者の心に訴えるものがあり、過度に情報だけが溢れた現代社会に一石を投じている。少なくともツイッターの活用法として新たな扉を開いてしまったというのは間違いない。

さらに言えばメンバーの森咲樹のツイートによると、「半角にすると、『!』更に書けるよ!!」という指摘を受けた佐保明梨からは、「いや、むしろもっと大きくしたいんだけど!!!!!」「やりかた知らん?????」という返事がかえってきたようで、まだまだ伸びしろもありそうだ。「!」の数を増やしたいのではなく、大きくしたい、という発想はやはり尋常ではない。佐保明梨が今後いかにしてツイッターを活用していくのか、11月8日まで目が離せない。

(4)叶わなかった夢への思いはどのような力になるのか

日本武道館での単独公演というアップアップガールズ(仮)にとっての夢は11月8日に実現するわけだが、その景色を夢見ながら表舞台を去っていったアイドルグループは数知れない。そういったグループのメンバーやファンの思いも背負ってアップアップガールズ(仮)は武道館のステージに立つことになるのだが、中でも本人たちが「事務所の先輩」として慕い尊敬し、現在でも折にふれ楽曲をカバーしているメロン記念日のメンバーやファンの思い、あるいはメロン記念日の活動全てが、アップアップガールズ(仮)の日本武道館公演の成功を後押しすることは間違いないだろう。

メロン記念日というグループは活動中に日本武道館公演を目標に掲げそれを公言し、解散してからもファンに対して「一緒に見たい景色がある」とメンバーは言い続けてきたが、いま現在それは実現していない。「事務所の先輩」が叶えられなかった夢、見たくても見ることの出来なかった景色を実現させられるかどうかはアップアップガールズ(仮)の手に握られていて、そしてそういった思いを全てステージ上の力に変えられるというのがエンタテインメントの強みでもあるだろう。夢は形を変えて、それでも繋がれていく。11月8日の日本武道館のステージでは、そんな根拠のない希望が現実のものになるのは間違いないわけで、どう考えても見逃すわけにはいかないのだ。

(5)夢の景色のまだ先がある

前述したように日本武道館公演とはアイドルグループにとってはある種の劇薬だと言えるが、しかしアップアップガールズ(仮)にとってはそのキャリアと苦難の歴史もあり、夢の一つではあるがこれがゴールではない。実際に4月24日のステージ上で日本武道館公演決定のサプライズ発表を受けた際にメンバーの佐藤綾乃が発したコメントに嬉しさや喜びなどは一切なく、「大きな試練をいただきましたが」「大きな壁が一つ伸し掛ってきて」と、明らかにその先を見据えた言葉だった。

‪11月8日 #アプガ 武道館公演決定!‬


そしてそれはメンバーにとっても同じ気持ちであり、関根梓は自身のブログ(アップアップガールズ(仮)オフィシャルブログ:#azunyan #ご報告!!!!!)で「武道館がゴールではないと思ってます!」と表明し、さらにはおそらく不安に思っているかもしれないファンに向けて、「距離が遠くなるんじゃないよ。より沢山のFamilyと同じ時間帯で同じ場所で楽しい時間が過ごせるってことだよ!」「だから、距離遠くなったと思うなら逆に私たちが詰めてく。笑」と、冗談めかしながらもファンと同じ気持ちを綴っている。アップアップガールズ(仮)は、何ひとつ変わることなく、いつもと同じように日本武道館公演を成し遂げ、そしてそこからも当たり前のように次の歴史を創っていくのだろう。

日本武道館公演はあらゆるアイドルグループにとってターニングポイントになるものだが、それを通過点にするほどにはいまのアップアップガールズ(仮)はしぶとく、強い。そこで変わるものはあるかもしれないが、終わるものは何一つとしてないだろう。とは言え初の日本武道館だ。そこに至るまでの景色を追いかけるのはアイドルファンとしては一番面白い行為だったりするので、少なくとも11月8日まではアップアップガールズ(仮)を追いかけても損はないのではないか。

日本武道館公演までもライブは続く。「アップアップガールズ(仮)ライブハウスツアー2016 "The Seven LIVE Alien"」は6月18日(土)長野CLUB JUNKBOXで昼夜公演、6月19日(日)高崎club FLEEZで昼夜公演。「アップアップガールズ(仮)Zeppツアー "The Seven PARTY LIVE Alien"」は札幌、名古屋、難波、東京でのツアーが決定済。是非とも注目していきたいところだ。

■参照リンク
アップアップガールズ(仮)オフィシャルブログ
ameblo.jp/upfront-girls-news/

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