「ジャニヲタ」がジャニーズファンを卒業する時ってどんな時? 「ヲタ卒」について考えてみた


【連載:ジャニヲタに訊け!】第4回 ジャニヲタにとって、ヲタ卒とは何か?​


●ヲタ卒、担降り、他界!

「あんな女優と熱愛!? もうヲタ卒してやるっ!」、「アラサーなんだから、いいかげんヲタ卒したら?」、「ついに独身は私だけ。そろそろヲタ卒しなきゃ」......。
――いずれも、ジャニヲタが言われたり、つぶやいたりする言葉です。
はたしてヲタ卒、〝ヲタク卒業〟とは、ジャニヲタにとっていかなるものなのでしょうか?

一般的にヲタ卒とは、「〝○○ヲタク〟をやりきって、区切りをつけること」を表します。

コンサートに行く、CDを買うといった〝ヲタ活〟を、やめるということですね。
これに対し、〝担降り〟とは、「担当を降りる=応援していた○○くんのファンを辞め、△△くんのファンになる(ヲタ卒はしない)」ことを指します。○○くんのフィールドを離れて、△△くんに着地する、といったニュアンスでしょうか。
ちなみに女性アイドルファンの場合は、そのタレントの〝現場〟(コンサートなど)に行かなくなることを〝他界〟と呼び、「山田さん、最近見ませんね」「ああ、彼は他界されたようだよ」というように遣います。「あの世に旅立ってしまう」というスタンスなんですね。

さて、ヲタ卒ですが、大抵の場合「卒業せい!」と言われてできるものではありません。恋のさなかにある人が、「あの男はよくないから別れなよ」と言われて「ハイそうですか」と従うことはないように、自然と、あるいは強制的に〝別れさせられる〟ことがなければ、ジャニヲタも卒業というフェイズには行けないのです。

●自然なヲタ卒と強制ヲタ卒

自然と卒業コース〟に進んだ奈々子さん(24歳・会社員)の例を見てみましょう。
奈々子さんは、22歳まで彼氏いない歴=年齢でしたが、バイト先で知り合った男性と意気投合。彼はジャニヲタであることを話しても嫌がらず、むしろ面白がってくれたそう。そんな折、奈々子さんの好きなジャニーズに熱愛が発覚。新聞やテレビを賑わせました。「グループとして正念場なのに、何やってんだ?ってガッカリしてしまって。たまにいい席が当たっても手も振ってくれないし、もういいやって気持ちになりました」。
彼女は、むしろ好きなジャニーズへ当てつけるような思いで、彼とのデートを増やしたとか。ところがだんだん彼の比重が重くなり、いつの間にか逆転。気づいたら、なかばヲタ卒していたそうです。「今もジャニーズは好きですが、テレビで見られれば満足。前はガチヲタだったけど、今は〝ゆるヲタ〟です」。

一方、〝強制的な卒業コース〟はどうでしょうか。
美里さん(27歳・派遣社員)は、20歳のとき鹿児島から上京し、以来生活のすべてをジャニーズに捧げてきたそう。当然、生活はギリギリ。貯金もなく、定職もなく、「このままじゃヤバイなぁ」と思っていた矢先に母が倒れ、やむなく実家に戻りました。「戻った当初は、〝今日のチケットあるんだけど、行く?〟と誘われて駆けつけられない自分にイライラしました。他の人がうらやましくなるので、しばらくはSNSも見ないようにして。でも、そのうちジャニーズがない生活に慣れてきました。今は、たまにある地方公演に当たったら行くくらいですね。身の丈にあったつきあいができるようになった気がします」。
物理的にジャニと離れることにより、卒業というよりは関係性を見つめ直すことができるようになったという美里さん。〝強制コース〟によるジャニ隔離は、禁煙や禁酒対策に近いのかもしれません。

ところで、ジャニヲタがふと〝卒業〟を考えるきっかけとはなんでしょうか?
「ヲタ卒しよっかな~」と思ったことのあるヲタさんたちに訊いてみました。

●ジャニヲタがヲタ卒を考えるとき

・熱愛やトラブル発覚で、ジャニにゲンメツしたとき
・好きなジャニが辞めてしまったとき
・チケットがまったく当たらないとき
・ヲタ友との付き合いに疲れたとき
・結婚や出産のリミットを考えたとき
・老後を考えてこわくなったとき
・通帳を見て真っ青になったとき
気になる異性ができたとき
一般社会と疎遠になりすぎたとき
・なんとなく女としてヤバイと思ったとき

楽しいはずのジャニゴト(ジャニーズに関する催しや用事)を煩わしく感じたときや、順調に結婚、出産、貯金などしている友を見て、心がグラつくこともある模様。

では、自然にヲタ卒が近づいているときのサインはどうでしょう?

●こんなふうに思ったら、ヲタ卒間近!?

・チケットが外れてもあきらめがつく
・録画を忘れても「ま、いっか」と思える。
・ライバルが良席に入っても、くやしくない
・CDやグッズを買わなくなった。
・ヲタ友が急に幼く見えた
・熱愛報道が出ても病まなくなった。
・ファンレターを書くのがめんどうになった
・コンサートのおしゃれをがんばらなくなった。
・ジャニ代で何が買えるか考えるようになった。
遠い日の花火を見るような思いで、ジャニを見られる。

ジャニに喜怒哀楽の感情を揺さぶられなくなったら、卒業のときが近づいているのかもしれません。しかしながら、卒業証書を受ける寸前でも、ふいに響く歌声、ダンス、あるいはウィンクひとつで女心を引き戻すのがジャニーズです。
「ヲタ卒した!」と言った3日後に出戻った人、数年、あるいは数十年のブランクを経て〝復学〟した人など、そりゃもうわんさかいます。

甘く切ない生涯学習。それこそがジャニーズ。
本当の意味でヲタ卒を語れるのは、人生が終わるとき、なのだと思います。

文/みきーる
ジャニヲタ・エバンジェリスト。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック"女子マインド学"を提唱。著書に『ジャニヲタあるある』(アスペクト)『ひみつのジャニヲタ』(青春出版社)他。 ●Twitterアカウント:@mikiru ●公式ブログ:『俯瞰! ジャニヲタ百景
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