鈴木保奈美を大人気女優へと押し上げた伝説のドラマ『東京ラブストーリー』が与えた当時の衝撃


8月13日からスタートしたフジテレビ系の深夜ドラマ『ノンママ白書』で、98年放送の『ニュースの女』以来、実に18年ぶりに同局の連続ドラマ主演を果たした女優・鈴木保奈美。若い世代の視聴者にとっては、あまりピンと来ないかもしれないが、彼女といえばかつてフジドラマの顔、トレンディドラマの顔として一斉を風靡した人気女優だ。


巷で「トレンディドラマ」について語られる際に、浅野温子・浅野ゆう子のいわゆる"W浅野"と共に、中心的なヒロインとして語られる彼女が、一躍大人気女優へとなった作品といえば、柴門ふみ原作の人気ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年/フジテレビ)だ。

このドラマの中で彼女はハートスポーツに勤める帰国子女OL・赤名リカを演じ、同僚で後に恋仲となる織田雄二演じる"カンチ"こと永尾完治と、常にヤキモキさせられる恋愛模様を見せることとなるが、その際に見せた彼女の独特な魅力を持つキャラクターは、男女問わず多くの視聴者の注目の的となり、歩道橋の上で彼女が出し抜けに口にした「カンチ、セックスしよ?」という衝撃的なセリフと共に、今なお、当時の視聴者の脳裏に深く刻まれることとなった。


四十路男である筆者は、無論、リアルタイムでこのドラマを観ていた人間の一人であるが、正直なところを申せば、このドラマを観るまで、鈴木保奈美という女優が、これほどまでに大人気の女優になるとは思ってもいなかった。というのも、それまでの彼女は、ちょこちょこといろんなドラマに出たり、水着写真集を出していたりといった活動をしていたものの、どちらかと言えば、アイドルマニア的な目線で"気になる"という感じで、みんながみんな知っている女優かと言えばそうではなかったからだ。実際に、当時はまだ学生だった筆者が、周囲の友人たちに「鈴木保奈美ってさ...」と語りかけても、友人たちから返ってくるリアクションは「誰それ?」的なものが大半という有様だったのである。

そんな彼女が一躍「誰もが知っている人気女優」へと大出世することとなったのがこのドラマなのであるが、今改めて確認してみると、やはりというかその「バブル」な感じが目を引いてしまう。彼女が演じるヒロイン・リカにしても、帰国子女でスポーツメーカーの社員で美人で個性的という、絵に描いたような"オシャレ要素"(あくまで当時)を持つ人物。そんな彼女が誰もが憧れるオシャレタウン(これまた当時)の渋谷や青山界隈を闊歩する。そして彼女が見せる恋愛模様は、やはりというか先進的で個性的なもの...今にして思えば、後に続くこととなるトレンディドラマに必要な要素は、既にこの作品でその大半が盛り込まれていたように感じられてならない。

そこから早いもので四半世紀もの時が流れ、バブル当時のオシャレ要素はもはや過去のレジェンドとなり、カンチとリカが、お互いの想いを抱えて待ち合わせをした渋谷のカフェ「マックスロード」は、エクセルシオールカフェへと姿を変えた。無論、そうした時の流れの中で、いくつもの流行が我々の頭上を過ぎ去り、人々の暮らしは一変したし、この作品に登場した鈴木保奈美をはじめとするキャストたちが、その後の25年間でどのような活躍を見せたかは世人の多くが知るところだ。


だが、当然のことながら、ドラマの中に登場する彼らは、まだ何一つそうしたことを知る由もない。単に昔を懐かしんで観るだけではなく、25年後の世界を知る自分が、タイムスリップして過去の人々に遭遇したような、そんな気持ちを抱きながら、改めてじっくりとこの作品を観てみるのも、なかなかオツなものかもしれない。

文・鹿葉青娘

■参照リンク
『ノンママ白書』公式サイト
http://tokai-tv.com/nonmama/
『東京ラブストーリー』DVD
http://visual.ponycanyon.co.jp/short/sakuhin/PCBC000050126/?REF=VISUAL


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