米CDCが電子たばこの使用を控えるよう警告、関連が疑われる肺疾患が増加

電子たばこが原因とみられる肺疾患が広がる中、CDC(米国疾病予防管理センター)は、原因調査が行われている間、電子たばこ製品を控えるよう警告した。メディアブリーフィングで当局は、約450人が罹患したとみられ、少なくとも5人が死亡したと述べた。

本件を担当するCDCのインシデントマネージャーDana Meaney Delman(ダナ・ミーニー・デルマン)氏は、次のように状況を要約した。

CDC、州、および他の関係者が鋭意調査中だが、これまで決定的な原因は特定されていない。すべてのケースに関連が認められる特定の電子たばこの機器または物質があるわけではなく、また電子たばこにはさまざまな化学物質や添加物が含まれている。これらの製品に何が含まれているのか、消費者が知っているとは限らない。

これまでの臨床的および実験的証拠に基づき、化学物質への暴露がこれらの病気に関連している可能性が高いとみている。しかし、強調しておきたいのは、どの製品または物質が関係しているか判断するには、もっと多くの情報が必要だということだ。

9月第1週初めにあったいくつかの報告では、蒸気にする過程で生成されるビタミン複合体の副産物であるビタミンEアセテートが原因である可能性を示唆した。デルマン氏はその見方に慎重であり、その関連性を指摘した複数の研究施設と連絡を取り合っているが、まだ何も特定されていないと述べた。

しかし、注目に値する傾向の1つは、ニコチン製品のみが関わっているケースはほとんどないということだ。疾患に苦しんでいるユーザーのほとんどは(大麻に含まれる有害成分である)、THC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール)を単独で、またはニコチンと一緒に使用していたとの報告がある。ただし、症状には多くの要因が関係している可能性があるため、様々な報告を鵜呑みにしないほうがいい。

最初の死亡例は8月下旬にインディアナ州で報告された。イリノイ州、ミネソタ州、カリフォルニア州、オレゴン州でも、疑わしい症例における死亡が報告されているとワシントン・ポストが報じた。一方CDCは、3件の死亡例を確認し、また1件の症例は調査中であるとコメントした。症例の報告数は急増しているが、これは疾患そのものが急激に増えたのではなく、州の保健当局と病院からより精度の高い情報が報告されるようになった結果である可能性が高い。

当局からの勧告はただ1つ、電子たばこと専用喫煙具の使用、特に改造した喫煙具や自家製の原料を避けることだ。専用喫煙具の内部でどのような化学物質が生成されるのか現在まだ解明されておらず、有毒物質が含まれている可能性がある。

調査が行われている間、各個人が電子たばこの使用中止を検討するようCDCから勧告する。現在のところ、それがこのタイプの重度の肺疾患を予防する主要な手段だからだ。そしてもちろん、電子たばこの使用は、青少年、若い成人、妊婦にとって決して安全ではない。

電子たばこ製品を使用する人は、自身の症状(咳、息切れ、胸痛、吐き気、嘔吐など)に注意し、健康上の懸念がある場合は直ちに医師の診察を受ける必要がある。進行中の調査に関係なく、電子たばこ製品を使用する人は、製品を路上で購入したり、電子たばこ製品を改造したり、メーカーが想定していない物質を加えるべきではない。

CDCは、この疾病の原因を特定するために多数の州当局およびFDAと協力しており、最初の53症例に関する詳細な調査報告を医学誌のThe New England Journal of Medicineに近々公開する。この報告は、医師その他の医療従事者にとって有用なものになるはずだ。医師らが直面する症例が電子たばこに起因する肺症状なのかどうか、判断する助けになるだろう。

ノースカロライナ州のウェイクメッド病院のDaniel Fox(ダニエル・フォックス)氏は、診察した症状が「リポイド肺炎」であるとの初期的診断を示した。

我々が診察した症例から報告したいのは、本日報告される予定の5つの症例だ。これらの各症例は、比較的若い人の肺疾患であるという特徴がある。ここノースカロライナでみた症例における患者の年齢は18歳から35歳だった。患者の症状は息切れや発熱に加え、吐き気や嘔吐の消化管症状がみられた。

すべてのケースに共通して発見されたこととして、患者が電子たばこ喫煙具で蒸気にした物質を使用していたことが挙げられる。胸部X線検査で異常が認められ、大量の酸素も必要になった。

すべての患者について臨床的な検討を行い、その結果、特定の非感染性肺炎が認められた。リポイド肺炎と呼ばれるものだ。基本的にリポイド肺炎は、脂質を含む物質または油のいずれかが肺に入ったときに発症することがある。

これは、ビタミンEアセテート仮説と一致する。ビタミンEアセテートは油性であり、蒸気と混合されて肺に入り滞留する可能性がある。医師や専門家に電話したが、誰も正式に関連があるとはコメントしなかった。

一部の患者は気管支炎またはウイルス感染症と誤診された。あなたや知人の体調が悪く、かつ電子たばこ製品を頻繁に使用している場合は、診察の際に電子たばこを使用していると伝える価値はある。

デルマン氏は、できることはすべて行っていると強調して、ブリーフィングを締めくくった。

CDC、FDA、州、および臨床関係者が懸命に働いて、病気の原因究明に取り組んでいることを理解してほしい。我々は、分かっていることと分かっていないことを公表し続け、医療部門、臨床医、人々がこの深刻な状況に対応できるよう支援していく。

自身の健康や、電子たばこ製品を使用しているあなたの愛する人の健康が心配な場合は、医療機関または地元のポイズンコントロールセンター(1-800-222-1222)に問い合わせを。

画像クレジット:Rapeepong Puttakumwong / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

この記事はTechCrunch Japanからの転載です。

続きを読む