ミット・ロムニーが築きあげたわけじゃない(マイケル・ムーア)

1%の富裕層が所有するピカピカ輝く現金を手に入れるために、誰か他の人間が支援をしたことをほのめかすことほど、あの1%を怒らせることができるものはないようだ。

だから、今週の雑誌ニューヨーカー (New Yorker) 紙上で、ベインキャピタルのまさに最初の契約が、「トノパ、ネヴァダとラスベガスの間を結ぶ軍用シャトルを走行させる小さい航空会社」の買収であったことを発見した時は驚いたね。

ファイナンシャル・タイムズ (Financial Times) 紙による詳細は次の通りだ。

「1980年代半ば、エリア52としても知られているトノパは、当時開発されたばかりの極秘のステルス戦闘機F-117Aの本拠地であった。パイロットと補助職員はラスベガスに居住し、勤務のある週は砂漠の中のトノパで生活していた。
キー航空 (Key Airlines) という小さなチャーター企業にとって、年間1,000万ドルの定期往復便の契約は非常に貴重な資産であり、これが後にベインキャピタルが形作られた契約となったのだ・・・。


つまり、ベインキャピタルは最初から政府の援助を受けていたということだ。アメリカ国民みんなで築き上げたのだ。ただ、公の場でそれについて話したり、またはミット・ロムニーとその億万長者のお友達に、私の叔母が乳がん治療が受けられるように、とか私の5才の子供の幼稚園がもっといい教員につけるように、もっと出資してくれないか、と頼んだりするのだけはやめた方がいい。そんなことを言ったら奴らを激怒させることになるし、激怒している奴らを見るなんて不愉快だからね。

追伸 1985年、キー航空のパイロットが労働組合に加入しようとした際に、同航空会社の経営陣が違法にそれを抑圧したという判決が、1992年に連邦裁判所によって下されている。パイロットによれば、安全でない労働環境を阻止するために組合を作らなければならなかったという。ベインによれば、パイロットは「明らかに低い」給料に不満を持っていただけだという。

ステルス戦闘機のパイロットを職場に飛行させるために同胞の市民から多額の税金が支払われている企業を、もしあなたが所有していたとしよう。あなただったら、それがどんな理由であれ、安全性の改善でも従業員の賃上げでも、あるいはその両方 (!) でも喜んでするかもしれない。ただ、それがミット・ロムニーと違ってあなたに2.3億ドルの価値がない理由なのだ。



(原文:Mitt Didn't Build That )
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マイケル・ムーア
映画監督

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